【登場人物】

1)深石美和(ふかいし みわ)
性別:女性
年齢:21歳
詳細:両親の仕事の都合でタイに住んでいた帰国子女。英語には絶対の自信がある。人懐っこい性格だが、子供っぽく、人をすぐ信用してしまうお人よし。惚れやすく、醒めやすい。白雪女子大学英語研究会部長。

2)多田井翔雄(ただい かけお)
性別:男性
年齢:29歳
詳細:コンサル関係の仕事を起こしている実力派の社長。ノリが良く、人当たりは良いが、自分勝手でいい加減なところがある。美和の元彼。

3)更科時(さらしな とき)
性別:男性
年齢:22歳
詳細:一見するとチャラそうな振る舞いや、格好をしているが、学内でトップ10に入る成績を維持し、部活動に対し熱を燃やすなどの一面がある。ドSなのがたまにきず。大和大学英語研究会部長。

4)大滝実子(おおたき みこ)
性別:男性
年齢:22歳
詳細:落ち着いた雰囲気を持つ女子大生だが、恋愛に対しては少しミーハーな一面を持つ。美和の相談に良く乗っている。聖アン女子大学英語研究会部長。


~【あらすじ】~

外から見れば、美和は華やかな大学生活を送っているように見えた。普通の容姿を持ち、白雪大学英語研究の部長を勤め、スピーチでは優勝する。誰もがうらやむような生活、のように見えた。しかし裏では、恋愛依存症にお人よしの性格が影響し、多くの男性との恋愛を繰り返してはだまされる生活を送っていた。それを繰り返すうちに恋愛に極度に恐怖心を覚えるようになってしまった美和が出会ったのが、英語研究会の交流会で出会った、大和大学英語研究会の更科時だ。明るく、まじめな性格を持った時に引かれてゆくが、元彼の多田井翔雄の出現で、美和の生活が大きく崩壊していくこととなった。


冷たい・・・。

ぼやけた視界から見えるのは、いつもの風景。
暗闇を
月明かりと数本の街頭が照らしている。
木に囲まれた並木道と、静まり返った住宅街に響くのは、激しい雨音と、水の流れ行く音。
いつも歩いていた道。でも今日は少し景色が違う。
流れ行く雨水とともに流れるのは、その場には似つかわしくない、深紅に染まった液体。
私はその場から動こうとした。とたんにさすような激痛と、体から何かが流れて軽くなっていく感覚を覚えた。

私・・・刺されたんだ。

犯人は自分の中でおおよその検討は付いていた。
・・・・ねむい。
普段から感は鈍いほうだが、この時ばかりは自分の死期が近づいていることは、直感で分かった。
普通の人間であれば、自分が今陥っている状況に慌てふためくだろう。
しかし、私は違った。
私はこの状況にまったく動じようとしなかった。
こうなることは予測できた。いや、こうなるだろうと確信していた。
今までの人生、私は自由奔放に生きてきた。
それゆえに、多くの問題に直面し、多くの罪を犯してしまった。

自業自得。こうなって当たり前。

ふと、今までの自分の記憶が脳裏をよぎる。
これがフラッシュバックというものなのだろうか。
ふと、ある思い出が私の脳裏に止まった。
そうだ・・私にはひとつだけ遣り残したことがある。
でも、この状態となってはもうそれを実現することはできなくなってしまう。

もう一度、あの人に会って、この思いを伝えたい・・・・。

そんな願いとは裏腹に、私の視界はゆっくりと闇に覆われていった。