「海ゆかば水漬くかばね、山ゆかば苔むすかばね」
若い方々、ご存知でしょうか。
万葉集のなかにある大伴家持の長歌です。
これに曲をつけたのは、作曲家でありチェロ奏者でもある信時潔氏、昭和12年にNHKの依頼により、作曲しました。
たいへん美しく、歌いやすい旋律で、第二の国歌とまで言われているくらいです。
けれど作曲の目的は、当時の政府が制定した国民精神総動員強調週間のテーマ曲たるもの。
太平洋戦争下においては、軍歌として一般に歌われていました。
私の母は小学校の卒業式で、蛍の光の代わりにこの曲を歌ったということ、この曲にはいい思い出がないみたいでした。
それにしてもいい曲ですよ。
「大君の辺にこそ死なめ」・・・問題となるのは、この一節です。
けれど、これを先の戦時下における極端な解釈に固執するのは、そろそろやめた方がいい・・・大伴家持に失礼です。
むしろ、「大君」は天皇ではなく、イエス・キリストだと解釈した方がいい、そうすれば、この曲はキリストへの忠誠をあらわす素晴らしい讃美歌になると思います。
こんな話を半ば適当にしていたところ、信時氏は、実は牧師の息子でクリスチャン、「海ゆかば」は主を賛美する意識のもとに作曲されたものであることを、偶然にも知りました。
海ゆかば、水漬(みづ)くかばね
山ゆかば,苔むすかばね
大君(おおきみ)の辺(へ)にこそ死なめ
かへりみはせじ(=悔いはない)