桜の花と運動場 | 夢は小説家ですと本気で宣ふブログ

夢は小説家ですと本気で宣ふブログ

文章の世界に魅入られた小娘が、妄想を書籍化しようと奮闘する日記。

「おはよう」「おはよう」朝の通学路には「おはよう」の言葉が溢れているのが常で、春休みだから人のいない校門前というのは変な感じがした。
 新入生を迎える前だというのにせっかちな桜はもう満開で、風が吹くたびに花弁を散らしている。
 学校に来なきゃいけない理由はなくて、でも来たい理由はあった。
 門を入ると聞こえてくる野球部の声に耳を澄ました。春の大会が近いのだ。この声の中に、私の好きな人がいる。
 春の空気を吸い込んで、入り口を目指す。私の学校の入口は運動場に面していた。門を入って左折すると運動場が見えてくる。白い練習着が輪になって走っていた。
「頑張って」
 小さく呟きながら下駄箱に吸い込まれていく。


☆☆☆

職場につくまでの突発短編。
恋をするには暖かな季節ですね。