第三回 姉の話し方を矯正する | 夢は小説家ですと本気で宣ふブログ

夢は小説家ですと本気で宣ふブログ

文章の世界に魅入られた小娘が、妄想を書籍化しようと奮闘する日記。



 「壊れそうな心がブロークンだよ!」と発言する姉を持っています妹です。
 ついに! ついに! 姉の話し方では何が言いたいのかが分からないというのを、理解させたうえで矯正することに成功しました! 今日は、その全容をお話したいと思います。(拍手)

【矯正前】
「昨日、うまいもの市場に行ったんだよ、渋谷のね。すごい、おいしかった! ちょっと高かったけど」


【指摘項目】
「私は、うまいもの市場が何を売っているところで、君が何を食べて、何と比較して高かったのかが分からないから、今の会話理解できない」

「なるほど」

【矯正後】
「昨日、渋谷のうまいもの市場に行ったの。うまいもの市場っていうのは秋田のきりたんぽとか、兵庫県の肉とか、名古屋コーチンとか日本の名産を売ってるんだけど、昨日は青森でね、おでんを食べたんだけど、味噌がおいしかったの。なんか、生姜とか味りんとか醤油とか入ってるんだけど。こうじ味噌? おでんに780円は高いなって思ったけど美味しかったよ! あとは馬刺しも美味しくて、いま肉刺しってやってないところが多いらしくて、久しぶりに食べたら美味しかったよ」


【ツッコミ】
「うん、まぁ何が言いたいのかは分かった。でも日本の名産品っていえば分かるし(兵庫の肉って何やねん。牛肉か? 神戸牛か? っていうツッコミは今はなし)(こうじ味噌はちゃうやろっていうのも今はなし)、肉刺し提供していた店の店長に肉刺し禁止の話すんなや。君より詳しいから、あとその話今関係なかったからいらん」


 というわけで、私だったらこう言う。

【完成版】
「昨日、渋谷のうまいもの市場に行ったの。日本の名産を売ってるんだけど、今は青森で、昨日はおでんを食べたんだ。生姜の入った味噌ダレで食べるんだけど、生姜が入ってるってすごいよね。おいしかったよ! まぁ、値段は780円と高めなんだけど、食べる価値はあるね」


【変更点】
・青森と東京のおでんの違い「生姜」を強調する
・おでんの味をおススメしたいので、そこは厚く、あとの説明は簡略化する


 という、ところでしょうか。
 今まで、姉は主語が抜けているから何が言いたいのか分からないと言われ続けたそうだ。

 それは、違う!

 姉には、修飾語が抜けているのだ!
 
 姉の友人は皆「なんで?」星人なのだろうか。ならば我点がいく。
 姉の話には、なんで美味しいのかが抜けているので、味のイメージや映像が浮かばない。なんでと聞くことによって、美味しいものがどんな形で何味か分かり、ようやく姉の話したいことが理解できる。

 このようなエピソードがある。
「赤いじゅうたんがね、後ろ姿がいいんだよ」
 私は一切姉が言いたいことが理解できなかったが、姉の友人が言う。
「ああ、赤いじゅうたんのイブニングドレスの女優の背中が開いた服の背中がいいんだね」
 ……私にとってそれは衝撃だった。そして姉は「友人は通訳してくれるの」と言った。お前、何人だよ。早く日本に帰っておいで。
 
 まだ、足りない。だが、姉の日本語レベルも亀速度で人間に近付いている。長期戦になるのは分かっている。早く人間にしてあげなくては!