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映画「Control」 Photo EXHIBITION by Anton Corbijin

生き急いだアーティストはいつの時代もヒーローだ。

彼らの波乱に満ちた生き様はそれ自体が作品ともいえる。

僕は34歳になって彼らよりずっと年上になってしまったけれど、当たり前だが手の届かない存在だ。

彼らは若さと同時にどれほど時間をかけてもたどり着くことの出来ない老成を手にしていたような気がする。


ジェームス・ディーン、パスキア、シド・ヴィシャス、カート・コバーン、・・・あまり知識のない僕にはこれくらいしか挙げられないけど、70年代後半のUKを駆け抜けたミュージシャン、イアン・カーティスもその一人に違いない。

UKのバンドニューオーダーの前身、ジョイ・ディビジョンのボーカリストだった彼を描いた映画がこの春に公開される。

タイトルは「Control」

次第に自身のコントロールを失っていく彼を描くにはあまりに皮肉なタイトルだ。


会場では小さなモニターがトレイラーを流していた。

モノクロームのシャープな映像が70年代後半マンチェスターのひりひりした空気を映し出している。

監督はアントン・コービン。

U2、デビット・ボウイ、ビョークらと摂り続けた大物ロック・フォトグラファーだ。


表参道のPaul Smith Galleryには映画のスティールに加え、アントン・ビーコンによるイアン・カーティス本人の写真も展示。タバコを片手に目頭を押える姿からは彼のの苦悩がひしひしと伝わる。

若さと老成が同居する天才の姿をアントン・ビーコンは見事にとらえている。

これはPaul Smith Galleryだけでしか観れない写真だそうだ。


映画は渋谷シネマ・ライズで今春公開

Paul Smith Galleryの展示は15日まで。