コロナ騒動、いつごろ収束になるのでしょうか?学校休校やイベントの中止、無観客の相撲の春場所(これほど違和感を感じた事はないですよね)そして極め付けは高校野球まで中止になるという、日々聞かされる前代未聞のニュースになんとまあとんでも無いご時世になったものだと言葉を失いますが、これら支払われた犠牲がなんとか功を奏し早めの収束につながれば、と切に願います。
ちょうど昨年の今頃は、大阪のライブハウスの様な小さめのホールでブライアン・フェリーのコンサートを楽しんでたんですが、まさか一年後にこんな事になろうとは!
まさにTomorrow never knows 、明日のことはわからない。この諺が今ほどしっくり来ることもない気がします。
通っていたジムも休館になり、なんとなく映画館からも遠のいてしまい、(映画館に関してはまあそんなに神経質になる事もないのかもしれないですが。)久々に家にあるDVDでも観ようかと思い、手にとったのがコレ。若いジョージ・ルーカス監督がスターウォーズシリーズを撮り始める前、1973年に低予算で作って結果大ヒットした映画です。フランシス・コッポラがプロデュース。こんな事きっと映画ファンの方は皆さんご存知でしょうけど。(以下は完全にネタバレですが、まあ古い映画なんでいいですよね?!)
最初に観たのは随分前で、特に当時は詳しく調べることもなかったんだけど、今回観て舞台、ロケ地がサンフランシスコと、その周辺だったことを知り、しかもそのうちのスモールタウンには昔短い期間滞在したことがあり、思い入れがかなりあるんです。
国内外問わず、自分が行ったことのある土地を映画で観るのって特別な感慨がありますよね?
とは言え撮影はほとんど夕方以降だった様で(*カークルージングの撮影、昼間はまず許可が下りなかったんでしょうね。)街の様子は薄ぼんやりとした印象しかなくて、あ、ここ知ってる、とまではいかなかったんですが笑。
この映画は言うまでもなく青春映画。等身大の当時のアメリカのどこにでもいる様な、彼や彼女のストーリーです。勿論それだけではなく、なんと言ってもノスタルジックな雰囲気を映像で楽しめますね、日本映画で言えば「オールウェイズ三丁目の夕日」みたいに日本人が昭和を懐かしく思う気持ちに割と似ているかもしれません。
メインの登場人物は、男子学生のカート(リチャード・ドレイファス)、スティーヴ(ロン・ハワード)、ジョン(ポール・ル・マット)、そしてテリー(チャールズ・マーティン・スミス)の4人。
1962年夏、カリフォルニアのとある街。高校を卒業して東部の大学に進学が決まっているらしいスティーヴと、同じく大学に行く事になっているものの、故郷を離れる決心をつけかねているカートを中心に、旅立つ最後の日、しかも夕方から翌朝にかけての一夜のストーリーを描いたもの。コレってちょっとサリンジャーのライ麦っぽい。
特別感のあるあの頃の、いかにもアメリカ的な、ローラースケートを履いたウェイトレスのいるドライブインで皆で集まり、最後の夜をどう過ごすかを話し合う場面から始まるんですが、この辺の舞台設定もたまりません。
そしてソックホップ(sock hop),略してhopとも呼ばれるカジュアルなダンスパーティー、これなんか日本人にはカルチャーショック以外の何物でもないですよね、生徒が生演奏に合わせて私服でソックスを履き体育館で踊る!日本の高校生には今も昔もちょっと考えられない、ある種不思議な光景。アルファベットイニシャルやナンバーのついたカーディガンに昔憧れた記憶有り笑↓こんな感じ。
夏の夜、ピカピカに磨き上げた車で、女の子や男の子を物色しながらのクルージング。アメリカではこう言うの若者の通過儀礼だった様ですね。アメ車がオールディーズミュージックに乗せて、これでもかと煌びやかに登場する訳だから、雰囲気が盛り上がらないわけがない!
映画の中で中心となっているのは(*少なくとも私にとって、ですが。)スティーヴとそのガールフレンド、カートの妹でもあるローリー(シンディ・ウィリアムス)との恋愛パートでしょうか。時代は移り変わっても、洋の東西を問わず変わらないのがおそらく恋愛中のカップルの微妙な温度差。これはもうきっと永遠に普遍ではないかと。そんなことも懐かしく蘇って来ました笑。
ちょっと気の強そうなローリー、強がっているものの、スティーヴしか目に入らず、でもそれをはっきり口に出せない。
お互いにもう大人だし、今後5000キロも離れるんだから、ちょっと自由になってみないか、と提案するスティーヴに、いたく傷つくローリー。でも彼女強がってその提案を呑むんですよね、そして心にもないことをつい言ってしまう。
恋愛におバカな男子、スティーヴは彼女の真意を読みきれません。まあこの辺りの歯痒さ、あるあるじゃないでしょうか?スティーヴだって勿論彼女が好き、だけど18歳の男の子にとっては、一人に縛られるのはちょっとやはり、なんですかね?
後優柔不断なカートが結局ついに故郷を離れる決意をギリギリのところでするのに対し、なんと終盤、東部の大学に行くのに1日前までなんの躊躇いもなかったスティーヴの方が逆に、ローリーの元に残る事に!
きっかけとなったのは、ローリーが互いにカーレースを競っていたジョンとボブ(=当時30歳、無名のハリソン・フォードが演じてます!)のレース事故の巻き添えを喰った事からでした。ここでようやく一途に自分を想ってくれるローリーに気づき、彼女の事を守りたい、そんな本能が芽生えた様です。まあありがちな流れだけど、そこはバックのオールディーズの切ない曲と相まって、カンタンにやられてしまいました笑。
カートのこの一夜を通しての、精神的な成長も印象的でしたね。高校生(=子供)に留まっていたくて、どこかで大学生(=大人)になる事を拒否しているかに見えた彼。例えば通りで世紀の美女を見かけ、なんとしても近づきたくて、当時絶大な人気を誇っていたDJ、あのウルフマンジャックに、彼女を探し出してもらおうと掛け合ったり。まあ何であれチャレンジ、冒険こそが若者の特権なわけだから、そういうのもアリ、なんでしょう。
失敗や惨めな体験でさえも後から振り返ってみれば、もう二度と味わえない、貴重なものになり得る、これこそが青春。とは言え青春は面倒くさい、まあもう一回で十分ですけどね、私なんか笑。
当時は今と違って音楽のソースはラジオが主で、カッコイイ旬なミュージックを届けてくれるウルフマンジャックの様な存在は、きっと若者に絶大な信頼を得ていたんじゃないかと思います。
誰もが同じ音楽をその電波が届くコミュニティで聴き、その心ときめく音をシェア出来る、言い換えたらコミュニティの一体感の様なものが形作られたとも言え、そう言った意味では今の様にネットで誰もがそれぞれ好きな音楽を楽しめる時代より、もしかしたら人は幸福だったのかな、と思ったりします。まさにgood old days ならではの温かさが感じられるんですよね。
便利さと引き換えに、人との距離が皮肉にも離れてしまうのが世の常なのかも。そういう意味でもこうして古い映画を観ると、なんとなくホッとするし、確かに昔あったものが今は無い、そんな事を再確認できたりもしますね。
外見からしていかにも子供っぽいテリーが、知り合ったばかりの女の子に気に入られようと大人っぽく見せようとしたり、背伸びをする様子とかもキュートでした。ともかく登場人物の誰もが60年代という時代のアメリカを代表する愛すべきキャラクターだったんですよね。
印象的だったのは最後のエンドロール直前。もしかしたらこういう手法の先駆け的な映画だった?のかも知れませんが、エピローグで4人の10年後の消息を伝える文言と写真が無音で映し出されるんです。
名前はあえて控えますが、作家になった者、保険外交員になった者、そして後の二人は事故死とベトナム戦争で行方不明、との文字が。
ここで今まで観てきた明るい青春映画が一気に現実に引き戻されるとでも言うか、。まるで突然ドキュメンタリー映画に変わったかと思うほど効果的でした。
映画自体はフィクション、だけどリアルでもあったはずです。1962年と言えばベトナム戦争前のまだ平和であった頃のアメリカ。でもその後65年ごろからアメリカはベトナムへの軍事介入が本格化し、当然多くの若者がその戦争に駆り出された訳ですから。
子供から大人への変化と共に、平和から戦争への時代の大きな変化をも一緒に監督は当然描きたかったんでしょうね。そういう意味でもこのエンディングは、結構重く、意味のあるものだったと言えるのではないでしょうか。
随分前、最初に観た時よりも確実に今回の方が自分の中に入ってきたこの映画、あまり期待せずに観ただけに嬉しい誤算でした。
それではローリーとスティーヴが、hopパーティで踊った時に印象的に流れていた誰もが知る名曲、ザ ・プラターズの「Smoke gets in your eyes」とザ ・クレスツの「Sixteen candles」の二曲を。
もうベッタベタのオールディーズソングですね( 艸`*)
ちょうど昨年の今頃は、大阪のライブハウスの様な小さめのホールでブライアン・フェリーのコンサートを楽しんでたんですが、まさか一年後にこんな事になろうとは!
まさにTomorrow never knows 、明日のことはわからない。この諺が今ほどしっくり来ることもない気がします。
通っていたジムも休館になり、なんとなく映画館からも遠のいてしまい、(映画館に関してはまあそんなに神経質になる事もないのかもしれないですが。)久々に家にあるDVDでも観ようかと思い、手にとったのがコレ。若いジョージ・ルーカス監督がスターウォーズシリーズを撮り始める前、1973年に低予算で作って結果大ヒットした映画です。フランシス・コッポラがプロデュース。こんな事きっと映画ファンの方は皆さんご存知でしょうけど。(以下は完全にネタバレですが、まあ古い映画なんでいいですよね?!)
最初に観たのは随分前で、特に当時は詳しく調べることもなかったんだけど、今回観て舞台、ロケ地がサンフランシスコと、その周辺だったことを知り、しかもそのうちのスモールタウンには昔短い期間滞在したことがあり、思い入れがかなりあるんです。
国内外問わず、自分が行ったことのある土地を映画で観るのって特別な感慨がありますよね?
とは言え撮影はほとんど夕方以降だった様で(*カークルージングの撮影、昼間はまず許可が下りなかったんでしょうね。)街の様子は薄ぼんやりとした印象しかなくて、あ、ここ知ってる、とまではいかなかったんですが笑。
この映画は言うまでもなく青春映画。等身大の当時のアメリカのどこにでもいる様な、彼や彼女のストーリーです。勿論それだけではなく、なんと言ってもノスタルジックな雰囲気を映像で楽しめますね、日本映画で言えば「オールウェイズ三丁目の夕日」みたいに日本人が昭和を懐かしく思う気持ちに割と似ているかもしれません。
メインの登場人物は、男子学生のカート(リチャード・ドレイファス)、スティーヴ(ロン・ハワード)、ジョン(ポール・ル・マット)、そしてテリー(チャールズ・マーティン・スミス)の4人。
1962年夏、カリフォルニアのとある街。高校を卒業して東部の大学に進学が決まっているらしいスティーヴと、同じく大学に行く事になっているものの、故郷を離れる決心をつけかねているカートを中心に、旅立つ最後の日、しかも夕方から翌朝にかけての一夜のストーリーを描いたもの。コレってちょっとサリンジャーのライ麦っぽい。
特別感のあるあの頃の、いかにもアメリカ的な、ローラースケートを履いたウェイトレスのいるドライブインで皆で集まり、最後の夜をどう過ごすかを話し合う場面から始まるんですが、この辺の舞台設定もたまりません。
そしてソックホップ(sock hop),略してhopとも呼ばれるカジュアルなダンスパーティー、これなんか日本人にはカルチャーショック以外の何物でもないですよね、生徒が生演奏に合わせて私服でソックスを履き体育館で踊る!日本の高校生には今も昔もちょっと考えられない、ある種不思議な光景。アルファベットイニシャルやナンバーのついたカーディガンに昔憧れた記憶有り笑↓こんな感じ。
夏の夜、ピカピカに磨き上げた車で、女の子や男の子を物色しながらのクルージング。アメリカではこう言うの若者の通過儀礼だった様ですね。アメ車がオールディーズミュージックに乗せて、これでもかと煌びやかに登場する訳だから、雰囲気が盛り上がらないわけがない!
映画の中で中心となっているのは(*少なくとも私にとって、ですが。)スティーヴとそのガールフレンド、カートの妹でもあるローリー(シンディ・ウィリアムス)との恋愛パートでしょうか。時代は移り変わっても、洋の東西を問わず変わらないのがおそらく恋愛中のカップルの微妙な温度差。これはもうきっと永遠に普遍ではないかと。そんなことも懐かしく蘇って来ました笑。
ちょっと気の強そうなローリー、強がっているものの、スティーヴしか目に入らず、でもそれをはっきり口に出せない。
お互いにもう大人だし、今後5000キロも離れるんだから、ちょっと自由になってみないか、と提案するスティーヴに、いたく傷つくローリー。でも彼女強がってその提案を呑むんですよね、そして心にもないことをつい言ってしまう。
恋愛におバカな男子、スティーヴは彼女の真意を読みきれません。まあこの辺りの歯痒さ、あるあるじゃないでしょうか?スティーヴだって勿論彼女が好き、だけど18歳の男の子にとっては、一人に縛られるのはちょっとやはり、なんですかね?
後優柔不断なカートが結局ついに故郷を離れる決意をギリギリのところでするのに対し、なんと終盤、東部の大学に行くのに1日前までなんの躊躇いもなかったスティーヴの方が逆に、ローリーの元に残る事に!
きっかけとなったのは、ローリーが互いにカーレースを競っていたジョンとボブ(=当時30歳、無名のハリソン・フォードが演じてます!)のレース事故の巻き添えを喰った事からでした。ここでようやく一途に自分を想ってくれるローリーに気づき、彼女の事を守りたい、そんな本能が芽生えた様です。まあありがちな流れだけど、そこはバックのオールディーズの切ない曲と相まって、カンタンにやられてしまいました笑。
カートのこの一夜を通しての、精神的な成長も印象的でしたね。高校生(=子供)に留まっていたくて、どこかで大学生(=大人)になる事を拒否しているかに見えた彼。例えば通りで世紀の美女を見かけ、なんとしても近づきたくて、当時絶大な人気を誇っていたDJ、あのウルフマンジャックに、彼女を探し出してもらおうと掛け合ったり。まあ何であれチャレンジ、冒険こそが若者の特権なわけだから、そういうのもアリ、なんでしょう。
失敗や惨めな体験でさえも後から振り返ってみれば、もう二度と味わえない、貴重なものになり得る、これこそが青春。とは言え青春は面倒くさい、まあもう一回で十分ですけどね、私なんか笑。
当時は今と違って音楽のソースはラジオが主で、カッコイイ旬なミュージックを届けてくれるウルフマンジャックの様な存在は、きっと若者に絶大な信頼を得ていたんじゃないかと思います。
誰もが同じ音楽をその電波が届くコミュニティで聴き、その心ときめく音をシェア出来る、言い換えたらコミュニティの一体感の様なものが形作られたとも言え、そう言った意味では今の様にネットで誰もがそれぞれ好きな音楽を楽しめる時代より、もしかしたら人は幸福だったのかな、と思ったりします。まさにgood old days ならではの温かさが感じられるんですよね。
便利さと引き換えに、人との距離が皮肉にも離れてしまうのが世の常なのかも。そういう意味でもこうして古い映画を観ると、なんとなくホッとするし、確かに昔あったものが今は無い、そんな事を再確認できたりもしますね。
外見からしていかにも子供っぽいテリーが、知り合ったばかりの女の子に気に入られようと大人っぽく見せようとしたり、背伸びをする様子とかもキュートでした。ともかく登場人物の誰もが60年代という時代のアメリカを代表する愛すべきキャラクターだったんですよね。
印象的だったのは最後のエンドロール直前。もしかしたらこういう手法の先駆け的な映画だった?のかも知れませんが、エピローグで4人の10年後の消息を伝える文言と写真が無音で映し出されるんです。
名前はあえて控えますが、作家になった者、保険外交員になった者、そして後の二人は事故死とベトナム戦争で行方不明、との文字が。
ここで今まで観てきた明るい青春映画が一気に現実に引き戻されるとでも言うか、。まるで突然ドキュメンタリー映画に変わったかと思うほど効果的でした。
映画自体はフィクション、だけどリアルでもあったはずです。1962年と言えばベトナム戦争前のまだ平和であった頃のアメリカ。でもその後65年ごろからアメリカはベトナムへの軍事介入が本格化し、当然多くの若者がその戦争に駆り出された訳ですから。
子供から大人への変化と共に、平和から戦争への時代の大きな変化をも一緒に監督は当然描きたかったんでしょうね。そういう意味でもこのエンディングは、結構重く、意味のあるものだったと言えるのではないでしょうか。
随分前、最初に観た時よりも確実に今回の方が自分の中に入ってきたこの映画、あまり期待せずに観ただけに嬉しい誤算でした。
それではローリーとスティーヴが、hopパーティで踊った時に印象的に流れていた誰もが知る名曲、ザ ・プラターズの「Smoke gets in your eyes」とザ ・クレスツの「Sixteen candles」の二曲を。
もうベッタベタのオールディーズソングですね( 艸`*)