ちょっといろいろ忙しく、更新が遅くなりました。タイトル、どんなのにしようかと迷いに迷ってひねり出したものの、なんかちょっとイマイチかな、、。
先日借りてきた映画、ブルーインザフェイス。
私の大好きな映画おそらくベスト3に確実に入るであろうウェイン・ワン監督「スモーク」の
姉妹版とも言われる作品です。で、なんとこれ、タイトルに聞き覚えがあるな、、と思ってたら、やっぱり!15年前くらいに借りてきて一緒に観たよ、とオットに言われてしまいました(ちなみに彼は私よりずっと映画通。)
しかし、なんと全く内容覚えてない!確かにスモークと比べると、記憶には残りづらいだろうね、と慰めて?はくれましたが、、。
で再度観たのですが、、ああこれは覚えてなくても、まあ不思議じゃないかも。
基本的にスモールトークが即興で繰り返され続けるだけなので。
その核となるストーリー?をまあ一言で言うと、ハーヴェイ カイテル演じるブルックリンの煙草屋オーギー・レンの元に集う人たちが繰り広げるドタバタ劇、とでも呼びましょうか。
ナンセンスで、登場人物もほぼ全員がちょっと、あるいはかなり変、笑。
例をあげると、、変な眼鏡をかけて怪しげな持論を説くルー・リードや(*約5年前に亡くなった前衛っぽいミュージシャンでブルックリン出身。)常連客にやたら下品なアンケートをとるマイケル・J・フォックス。そしてタバコをやめる決意をし、最後のタバコをオーギーと一緒に吸うために店にやって来るジム・ジャームッシュなどなど。
マドンナや、なんと最初気づかなかったけど、リリー・トムリンなんかもおかしな役で出てました!豪華キャストなんだけど、とにかくみんながみんな、変すぎる役、笑。で変な人は大好きな私なので、こういう映画は割と好みな訳です笑。
おそらく一般的な普通の日本の街で同じ事しても、ただのつまらない井戸端会議になり、よほどのキャラクターを集めない限り映画になどまさかならないでしょうから、そういう意味ではなんと言ってもロケーションが大事、なんでしょうね。ニューヨーク、ブルックリンですから。国籍も人種も言葉も異なる多種雑多な人々が同じ空の下で、悲喜こもごもを繰り広げる。なんかもうそれだけで、ワクワクしませんか?
ちなみにこの映画の監督の一人である作家ポール・オースターがスモーク&ブルーインザフェイスというタイトルの本も書いている様で、時間があったら是非読んでみたいです。(*スモークの原作と脚本もP・オースター)
で実は、数年前にしばらく夢中になって読んでた本があるので、ついでにちょっと紹介させて下さい。これらの映画と結構接点がある様な気がするので。(*一応このブログ、本のジャンルに参加していたことも思い出した笑。とは言え既にもう方向性を失ってるし、別に順位もどうでいいんですけどね、笑)
読売新聞米現地紙記者を経て、ノンフィクション作家になった岡田光世さんの「ニューヨークの魔法」シリーズなんですが、なんかもうこのエッセイ、ある意味スモークや、この続編の映画の世界なんです、。で、読むと物凄くニューヨークへ行きたくなる!
何冊か読んだのですが、シリーズ最初の本「ニューヨークのとけない魔法」の解説からちょっと抜粋させてもらうと、こんな感じです。
世界一お節介で、おしゃべりで、図々しくて、でも憎めないニューヨーカーたち。東京と同じ孤独な大都会なのに、ニューヨークは人と人の心が触れ合う瞬間に満ちている。
みんな切なくて人恋しくて、でも暖かいユーモアを忘れない。息苦しい毎日に心が固くなっていたら、ニューヨークの魔法にかかってみませんか?というもの。
作者である岡田さんは住み慣れたニューヨークから東京に戻ると、たちまちニューヨークが恋しくなるそうです。なぜかと言うと例えば東京では、近所の中年のお父さんたちにおはようございます、と挨拶しても、下を向いて目を合わせないし、わずかに会釈してくれることがたまにあるくらいなんだそう。(でも、これって東京でなくても、私が住んでる地方都市でも全く同じです。まず街中で見知らぬ者同士が話しかけ合うという事はおろか、挨拶する事自体も通常ないですしね。)
しかしこれがニューヨークだとちょっと違うらしい。朝ベランダに出れば、ジョギングしている人が足を止めて、下から、花がとても綺麗だから、毎朝ここを走るのが楽しみなの、有難う、と言った具合に気軽に声を掛けてくるらしいんですね。こんなことは日常茶飯な事だった様です。
そう言った居心地の良さに慣れてると、やはり日本での素っ気ないやり取りを味気なく感じるんでしょうね。ちょっとした事だけど、こんなささやかな会話が1日を楽しいものにしてくれそうです。
ニューヨークに限らず一般的に英語圏の国の人って、見知らぬ人にでも結構躊躇なくフレンドリーに声をかけて来る傾向がある気がします。(特にアメリカ人。)
私も何度か経験あります。例えばスーパーのレジでは必ず、ハーイ元気?良い1日をね、なんて気軽に言ってくれるし。一度なんかほうじ茶を買って支払おうとしてると、ワー、この日本茶最高よね!私もこれ好きでね、お茶はいつもこれなのよ、みたいな事を一生懸命語ってくれたりもする笑。時差ボケな旅で疲れてても、こんなちょっとしたふれあいが人間って結構嬉しかったりします。
岡田さんのこのシリーズは、こんなありふれた、でもかけがえのない素敵な人と人との一期一会が、ニューヨークを舞台に繰り広げられます。街の中や公園はもちろん、地下鉄の中でさえ!
もちろんこれは、ニューヨークに行けば誰にでも簡単に起こるものではありません。何と言っても岡田さん本人が、向こうから声がかかるのをいつも待ってる訳ではなく、最初から話しかけてもいる笑。つまりまずは心を開く、ココですねポイントは。(あ、英語力もいりますね)
でも実際この本読んだら日本に住んでいても、ちょっと真似したくなるから不思議、結構その気になるのです。(試しに散歩中犬を連れた人につい、話しかけてみたりしました、ま、これなんかは初歩的ですが。)
とは言えあまりぎこちないと墓穴を掘る事もあるので要注意笑。とにかくこの本読んでると気持ちが上向きになるし、不思議に幸せな気分になり、癒されるので、お勧めです。
日本人ももうちょっと、フレキシブルになって、固い殻を破れたらいいですね。自分への自戒も込めてますが。
習慣を変えるのはちょっと勇気がいるけど、こうしてブログを書く事だってある意味やはり、人とつながっていたいからだし、究極人は人とおしゃべりしたい生き物ですよね!?
さて実は同時にジム・ジャームッシュ監督の映画、コーヒー&シガレッツも借りてきて観たんですが、ブルーインザフェイスにも実際彼自身が出演していたせいもあってか、なんかこのふたつ、ものすごく似てる印象でした。こちらもやはり台詞はインプロヴァイズな感じのスモールトーク。実際はシナリオが多少はあったようなんですが。まあともかく間の取り方と言い、緩さと言いジャームッシュ節全開でした。これって結構癖になるから不思議ですよね。
という事で今回もつらつら書いてしまいました。
喫煙者って流石に今は嫌われる対象になってしまってるけど、確かに一昔前はカッコイイ時代があった気がします。コーヒーとタバコって、会話の名脇役というか潤滑油でしたよね。
そんな雰囲気が映画同様たっぷり味わえる、隠れた名曲をご紹介。オーティス・レディングでその名もなんとシガレッツ&コーヒー(映画と順番が逆、笑)
24、5才でこの情感たっぷりな歌い方、すごいとしか言いようがありませんね!その後26才で夭逝した天才ソウルシンガーです。
もう一曲、これもかっこいい。