Bukamura シアターコクーン『オリエント急行殺人事件』 | ANNEX324

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都内在住30代。買いものや観劇の記録など

 

12月にシアタコクーンで上演された舞台「オリエント急行殺人事件」を見てきました。

ポアロ役は椎名桔平さん、2番手にはアンドレニ伯爵夫人役の松井玲奈さん。他、高橋惠子さん、マルシアさん、本仮屋ユイカさん、松尾諭さんなど。

原作の登場人物から何人か削られていて、ラチェットの執事、公爵夫人のメイド、アンドレニ伯爵、アメリカ人セールスマンのハードマン、イタリア人セールスマンのフォルカレリ、イタリア人医師はいなくて、ラチェット役とアーバスノット大佐役を栗根まことさんが一人二役で演じられています。

オリエント急行殺人事件の面白さは、長距離列車という密室空間に様々な国、階級の人が一堂に会していること、主人と使用人の関係性の二つにあるのかなと思っているので、この改変は残念。

ただ登場人物の削減は、一人一人区別がつきづらく、把握が大変な舞台上で有効なのは確かとは納得しました。

医者役がいなくなったためにアンドレニ伯爵夫人が元医大生で医学の知識があるという設定になっていて、原作ではそれほど台詞や動きの意味で存在感はない彼女にポアロの助手的役回りも与えられているのですが、そんな日本の刑事ドラマみたいな男女ペアをわざわざ作り出さなくても…と思ってしまった。演じられていた松井さんは割と良かったのですが。

 

 

舞台セットは2階建てのような構成で、1階部分を食堂車、2階部分を寝台車にしているのは面白いなと思いました。キャストが1階と2階を繋ぐ階段で行き来するのは大変そうだったけど。笑 停車駅のプラットフォームを表す時は屋根が被さってくる仕組み。華やかで動きのあるセットで、見ていてとても楽しかったです。

ただ舞台でこの題材をやるなら、場面転換を無理にしないで思い切ってプラットフォームや客室でのシーンはなくして、食堂車にポアロが関係者を一人ずつ呼び出す台詞中心の構成で事件を描くようにししてもよかったんじゃないかな。最初に役名とキャスト名をスクリーンに映す演出とか、それ映像媒体でやればいいじゃん…と思う演出も結構あって、「舞台ならでは」にもっと拘った方が意義深くて面白かったと思うので。

 

 

オリエント急行のトリックと真相って、スターウォーズで言うところのルークとダースベイダーの関係みたいなもので、、忠臣蔵的な、展開も結果も知ってるけど敢えて見る対象とも思うんですが、こういう注意書きが必要なものなのか…とネタバレしないぞという自分への注意も込めて撮ってみました。

 

 

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