大好きなアニメーション映画『アナスタシア』のブロードウェイ・ミュージカル版、海外公演ツアーか翻訳版やってくれないかなとずっと待っていましたが、とうとうこの目で見る日が!
3月前半の東京公演はほぼほぼ休演になってしまいましたが、運よく手持ちのチケットは上演再開のタイミングの回。2月に見た『天保十二年のシェイクスピア』といい、ギリギリのところ掻い潜っています。
この日は出来うる限りの感染防止策がとられていて、入口でサーモグラフィ・カメラで発熱チェックもされたし、アルコールスプレーでの消毒もマストでした。
この日の出演者は主役のアーニャ=アナスタシアを実写『アラジン』のジャスミン吹替を担当されていた木下晴香さん、ディミトリは相葉裕樹さん(テニミュ好きなので…)、グレブは山本耕史さん、ヴラドは大澄賢也さん、リリーは堀内敬子さん。マリー皇太后は麻美れいさんで固定です。
木下さんは澄んだ歌声が伸びやかで、まさにヒロイン!アーニャのソロ曲、"Journey to the past"は元アニメだと序盤に出てくるのになかなか歌わなかったので2幕まで引っ張るのかな?と思いましたが、1幕ラストのここぞ、という場面に出てきて、声もあったまっているタイミングだったし、とっても良かったです。
演技には関係ないけど、後半ドレス姿になった時の背中が細くてしなやかでとってもきれいだったので、ダイエット意欲が駆り立てられました…頑張ろう。。
元アニメからの改変というと、悪役がラスプーチンではなくボリシェビキの将官という設定に変えられていて、ロシア革命もラスプーチンの魔法というファンタジー設定ではなくなっていました。
この辺りは市民の革命運動にリスペクトを払った変更なのかな…。その将官、グラブのキャラに何か既視感あるな…と思ったら、『レ・ミゼラブル』のジャベールがちょっとマイルドになった感じじゃん、と思い至りました。笑
ラスプーチンを倒すというアクション展開がなくなったので、設定に現実的な厚みは出たけどクライマックスに向かっていくスリルやオチ、その中で育まれるアーニャとディミトリの恋愛模様描写は薄まった、、というか、正直いつ何がきっかけでお互い好きになったの?という気はしました。
アーニャのキャラクター描写もいまいち薄く見えてしまって。そこは残念だったかも。
舞台装置はこのLED映像を活かしたもので、とてもきれい。特にパリに到着したアーニャ一行の後ろにぱーっと花とエッフェル塔が広がったシーンは素晴らしかったです。
ミュージカル アナスタシア 日本公演@AnastasiaJapan明日からついに舞台稽古🎭舞台が着々と完成していってます⭐️ 今回の見所の一つはこの #高精細LED ✨映像とは思えない美しさ👀白い柱枠から見えている背景は全てLED映像❣️ なかなか日本では使われていない目の細かなパネルはオランダ… https://t.co/sOm9l5MxvE
2020年02月24日 21:49
役者さんではリリーを演じる堀内敬子さんが良かった。
ちょっと軽薄で恋愛体質、でも皇太后を想う気持ちの強さもあって、はっちゃけた歌やダンスがキュート。
ちょっと『シカゴ』の時のレネー・ゼルウィガーっぽくて、声も同じように甘くて可愛い。
大澄さんとのコンビも息がぴったり。
リリー役はトリプルキャストで、他二人はマルシアさん、朝海ひかるさんなのですが、これは演じる方によってだいぶ違うリリーになりそう。
そして皇太后役の麻美れいさんもさすがの貫禄で、皇太后としての威厳も祖母としての家族への愛も厳しくも温かい表情と声、すっと伸びた背筋に全て現れていてとっても良かった。
宝塚はほとんど見ないのですが、OGの方はやっぱり舞台映えするなと改めて。
楽曲はほぼほぼ元アニメの通りですが、ラスプーチンがいなくなったせいでその持ち歌がなくなったのと、出来ればエンディングの"At the Beginning"もしっかり歌ってほしかったかな。
『アナスタシア』は宝塚版もやるそうなのでぜひ見たいけど、チケット取れるかな…というよりこのご時世に本当にやるのかな。。最悪WOWOWでの放映を待ちたいと思います。