2月に高橋一生さん主演の舞台、『天保十二年のシェイクスピア』を見に行ってきました。
久々の日生劇場!昔の劇場だから女性用お手洗いが少なく導線が今一つなのが気になるけど、レトロで豪華な作りと、休憩時間に座れるスペースがたくさんあるのはとても好き。
『天保~』は上川隆也さんが主演、沢口靖子さんがヒロインを演じた2002年版をテレビで見たことがあり、当時は性描写やこれでもかと人が死ぬ展開に衝撃を受けた覚えがあります。
演出がいのうえひでのりさんだったからか、古田新太さん、阿部サダヲさんといった面々がキャスティングされていました。
その後2005年にも再演され、今回はそれから15年ぶりの再演。
シェイクスピア全37作品を引用、任侠劇の天保水滸伝がミックスされた原作は4時間近い大作なので、そのまま上演される機会は少ないようです。
今回もミュージカル化、一部カットで3時間ちょっとくらいの長さになっていました。
高橋一生さんの三世次(リチャード三世、オセローのイアーゴ)が見たくてチケットを取ったのですが、蓋を開けてみればきじるしの王次(ハムレット、ロミオ)役の浦井健治さんがすごく良かった!
2002年版では阿部サダヲさんがやっていた役で、阿部さんはどちらかというとハムレットに寄っているというか、神経質で精神的に参っている躁鬱的な青年という演じ方だったけれど、浦井さんの王次はロミオ、それもバス・ラーマン監督の『ロミオ+ジュリエット』でディカプリオが演じたロミオに近いというか、やんちゃでキラキラちゃらちゃらしている感じがとても魅力的でした。
唯月ふうかさんが演じるお光とのカップルもフレッシュでヤンキーっぽい感じ。阿部さんと沢口さんはどちらもエキセントリックで浮世離れした感じだったので、演じる方によって本当に変わるのだなと。
私が観劇した日の翌々日から休演、3月からの大阪公演は全て中止。
お客さんはほぼ全員マスク着用なのはもちろんのこと、化粧室でも手を念入りに洗っている方が多かったし、冬場なのに咳払いもほとんど聞こえない良マナーな環境で、数少ない新型コロナウイルスの良い副産物だな~なんて思ったのもなんだか暢気でずいぶん昔のような気がしてしまいます。