昨年7月、九州の福岡県と佐賀県(ちらっと長崎県)を旅しました。

その中でも、佐賀県有田での素敵な出会いを、4回に分けてお話ししています。

(その1)父を越える

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佐賀県の「有田焼」の里。

2016年は「有田焼400年のメモリアルイヤー」です。

お友達のだんな様、田代隆則さんの「幸麓窯(こうろくがま)」にお伺いして

作品を見ながら、様々お話をお聞きしました。

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有田焼は、「磁器」です。

粘土から形を作る「陶器」と違い、

「磁器」は、石を砕いて粉にした土から陶土を作るため、

伸びにくく、形が作りにくくなります。

400年前。

「泉山(いずみやま)」という土地で、

磁器に適した土が採掘されて始まった、有田焼。

白くてつややかな有田焼の白磁が、江戸時代初期に生まれたのです。

ただ、時代がすすむにつれて、

有田焼の原料は、泉山の土よりも、

より扱いやすい「熊本 天草地方」の土が主になっていきました。

泉山の土は、なかなか伸びない。

形がつくりにくい。

ややひっかかりができる場合もある。

つまり、泉山の土は「作るのが難しい」のです。

その、泉山の土を100%用いて

江戸初期の有田焼を現代に復活させたのが、

幸麓窯  田代隆則さん

翡翠工房 西原 章さん

筒井陶土 筒井徹也さん

「もう一度、原点へ」

その思いをもとに、2011年につくられた

泉山陶土100%の磁器 「izumiyama」。

田代隆則さんの奥様、百合さんが中心になって作った

「izumiyama」シリーズの器の制作過程をまとめた小冊子を見ていると

そして、私が選びに選んで購入してきた

「izumiyama」のぐい呑みを見ていると

「あまり伸びない土なので、大きなものは難しくて。」という、隆則さんの言葉

手に取ると、わずかに感じるひっかかりの感触

現代の有田焼と比べると、幾分くすんでいるような白磁の色

それらすべてをひっくるめて

400年前に、泉山から石を切り出し、土にして器を作り始めた人々が

それらを途切れることなく伝えてきた人々が

そして、現代に再現してくれた人々が

次々と浮かんできて

その器がいとおしくて

たまらなくなるのです。

今回、本当に偶然と言ってもいいような出会いの中で

こんなに素晴らしい方に素敵なお話を聞くことができて

私はもう、幸せで幸せで…

こういうストーリー、本当に大好き。

たまりません( ´艸`)

泉山作品展の様子はこちら

 ⇒(その1)http://ameblo.jp/sonne326/entry-12068246215.html

  (その2)http://ameblo.jp/sonne326/entry-12068258247.html

明日は、注文を受けて器を作るときのエピソードをご紹介します。