今日は大寒波だとテレビのお天気予報で何度も聞いたが、私の住む北近畿は日差しが温かかった。(災害の後、大雪に見舞われている被災者のことを思うと胸が痛むが・・・。)

 今日は今年初めてであるが、やっとこさリハビリへ行って来て、昼ごはんの後、予定していた買い物に出た。しっかり防寒対策をして、風は冷たいながらも暖かな日差しの中をシニアカーを駆りながら私は、いつか出会った95歳のおばあさんのことを思い出していた。

 もう日が暮れ始めた時刻だった、私が2階の改札フロアにある本屋さんからの帰りにエレベータに乗ろうとボタンを押し待っていると、改札フロアから続くショッピングモールへのスロープへ向かった小さなおばあさんが戻ってきて言った。

「それに乗りますのん」

「ええ、これいつも遅いですけどね・・」

「乗るんやったら、私も一緒に乗せてもらいうかな」

「はい、一緒に乗りましょう」

 私は思った。私のように杖を突くこともなく、しっかり歩いておられるが、このおばあさん、一人ではエレベーターの操作も分かんなんやな、と。

「私ね。もう95歳になりますねん。毎日必ず、1回は外に出るようにしてますねん」

私は通りすがりの見知らぬ人に話しかけたりすることはないし、話に応じるのも苦手なのだが、家にいては話す人もいないのかもと思って応じた。

「そうですか、それは偉いですね。すごいことですわ」

心から感心したのだが、それならば、せめてもっと明るい内にすれば安全なものをと内心思った。小さなおばあさんはニコニコ笑っていた。エレベーターから降りると私はシニアカーなので、それだけの話だが、やっと東京の孫に頼まれたショコラウサギを買いに行けた私は、あのおばあさんは今も頑張って毎日の外出を続けているのだろうと思う。

 きっと、高齢であることを意識しているからこそ毎日の外出を日課にしているのであろう。本当に偉いことである。

 明日は、入浴ディも通所リハビリもない日だから、映画を見に行こうと思っているが、はてさて、ぐうたらな私のことである、思い通りにいくかどうか?

 いつも、一週間の外出先の予定は立てるが、こなせたためしがない。一回り先輩のあのおばあさんは偉いが、人は人と思うしかない。

そうでなければ自分を嫌いになってしまうから・・・。せめても家の中では動こうと、孫とお嫁ちゃんのために、頼まれもしない夕飯づくりをしている。それが私の精いっぱいなのだ。