私が「ああ、これで私の人生は終わった」と思ったのは、一月ほど前のことでした。
半身麻痺で不自由な身体が腰痛でますます動けなくなり、トイレに行くのがやっとという状態になった時でした。
どうにか自力でトイレに行けるのは、ありがたいことでしたが、
脳出血から15年、麻痺して動かない左半身の緊張がきつくなり、麻痺側の下肢がしびれて痛みが出てきて不安だった所へ、脊柱管狭窄症を患い、元来の腰痛とは別物の腰痛と健側の右下肢痛が起き、一歩一歩が堪え難いほどの痛みとなり、直ぐに転びそうになって、歩けると言える状態ではなくなったのです。
トイレには自分で行けるし、痛みに耐えていることは他者には分らないように、どうにか5・6mづつ歩けるので、入浴のためにディにも通えます。
ですが、シニアカーで買い物に行き、お店のカートを押して歩くということはできなくなり、電動車椅子を利用して、店内も車椅子移動ののまま買い物するようにしました。用事は、病院受診やお金の出し入れ、買い物が主です。行きたい所々で、どういう手段で行くか考えなくてはなりません。そうして、もうすぐ直ぐ観たい映画が公開されるのに、映画を観に行けないと思ったときに、
「私の人生終わったわ」と思ったのです。自分のしたいことができなくなったと自覚させられ、「人生終わりやな」と思ったわけです。
その後のディの利用時に、いつもの体調を尋ねられたときに
「今日の体調ははいかがですか?」と問われて、私は、
「変わりないです。私の人生終わりました」と、答えていました。
すると、カカカッ、と、ヘルパーさんが笑うので、私もつられて笑いました。
「終わったのに、まだ生きなくてはいけなくて辛いですね」
カッカッカッと、高らかにヘルパーさんがまた笑うので、
「ホント、そうやねん」カッカッカッと、私も笑いました。
「いや、辛い話してんのに、笑ったりして、私ったらゴメン」
「いいわよ。なんや笑われるような事やったんやと思ったら、
気が軽なったわ」
終わったはずの私の人生は、ヘルパーさんの笑いに吹き飛ばされて、
私は考えました。どうすれば映画を見に行って、いつもと同じレストランで一人ランチして帰ってこられるかを。
電動車椅子の利用で、JRに乗せてもらい行ってきました。怖いし、駅員さんに申し訳ないと気を遣うのですが、割り切って行って来ました。
楽しみにしていた『キングダム』を観て、
「私の人生まだ終わってなかった」と思っている単純な、アラ古希ばあさんです。
今日は日曜日で、今日のしたいことは、聖日礼拝に出席して、帰りにドーナツ🍩を買って帰ることでした。教会へは行けませんでした。
詰まり過ぎている日常に疲れているのです。やるべき予定をさぼると心の疲れが少しとれる、どうしようもないぐうたらばあさんです。
が、やりたいことができないとそれがストレスになりますので、今からシニアカーで、隣町までドーナツ🍩だけ買いに行ってきます。
その🍩屋さんは道沿いにあり、シニアカーから降りなくても買えるのでシニアカーで行けるのです。