我が家は、同居の5人のうち心身ともに健康なのは、40代の息子夫婦のみで、残り5人は障碍者なのです。なんとも大変な話に聞こえるでしょうが、これが案外毎日笑顔が絶えない日々なのです。

 それは多分に、一年前に発達障害(ADHD)と診断された3歳児の可愛らしさにあります。一日中動いていて、一日中しゃべっています。行動は荒く、興味惹かれたことに突進していき、彼の興味は尽きることがありません。意思がはっきりしていて、自分のやりたいことは断固押し通そうとしますから大変です。この特性にいやいや期が重なってそれはそれは大変ですが、危険でない限り彼の意思を尊重して、できるだけ思いを遂げさせてやれるよう、嫁さんもばあばも奮闘しています。

 波風は立たなかったのかと?いえいえ、私は何度かお嫁ちゃんの地雷を踏んでしまいまして、怒らせているんです。でももう分かりました。お嫁ちゃんが、外であったことのあれこれを話すのは、困ったことへのアドバイスが欲しいわけでも感想が欲しいわけでもなく、ただ言いたいだけ、聞いて欲しいいだけだということが・・・。

 我が家の暴れん坊将軍は、いろんなことをしたがり、よく遊ぶので見ていて面白い。ばあばは将軍の望みならなんでも叶えてやり可愛くて仕方がないのです。ばあばの行動の源は、このちびっこ将軍にあり、これから、ランチを兼ねて、バスボールを買いに行きます。

 お風呂に入るのを嫌がり、バスボールを使ってなだめて入れたことがあるらしく、ある日お風呂の前で、「バスボール、バスボール」と足を踏みならし、こぶしを上下させて連呼していました。

「バスボールって何?〇ちゃんは何が欲しいの?」お嫁ちゃんに教えてもらったばあばは、売っているところを訊いて、「分ったそれなら、ばあばが買ってきてやるから待ってね」と、日暮た街へシニアカーで、繰り出すと、お店の前には、自転車で先に着いたお嫁ちゃんと〇ちゃんが待っているではありませんか、

「この子が、ばあちゃんが迷子になったら大変だ、探しに行こうというから」とお嫁ちゃん。以来、バスボールは毎日使えるように切らさないようにしています。もう数か月になります。一時、欲しいと言わなくなった時もあったのですが、最近また毎日ばあちゃんの所へ貰いに来ます。値段は、1個400円位です。半額の物ももっと高い物もあります。200円のだと、選んでくれなくて、残っていくんです。

今の彼の流行は仮面ライダーとかウルトラマンです。その前は、新幹線やトミカでした。ばあばは、孫の喜ぶ顔見たさに、少しでもスムーズにお風呂に入ってくれて、お嫁ちゃんの助けになるように、お小遣いから捻出して、バスボールを買いに行きます。

 何せ、お風呂に入らない、入りなさいの攻防が大変な時は一時間も続くのです。お母さんが怒って、お父さんが帰ってきてから入りなさいと、一人で入ってしまったことも。眠そうだし、お父さんの帰宅は、1・2時間後です。

「お母さんにごめんなさいしよう」「ごめんなさいしない」何とかなだめすかして、取って置きのバスボールを持たせて、風呂場へ連れて行きます。興奮して、お母さんに見せて、バスボールのことをはなし、ごめんなさいするもしないもなくなります。

 さてさて今日は、目新しいバスボールが買えるといいなあ~。

ばあばの生きがいは、孫を可愛がることで、ばあばの仕事は、お嫁ちゃんと同じ目線で、孫と遊ぶことです。アラ古希のばあばは、幸せです。

 発達障害だろうと何だろうと、元気すぎるけど、頑固だけど、笑顔の絶えない優しい子です。怪我をせずに、日々を楽しんで育ってくれればそれでいい。お嫁ちゃんが疲れすぎずに子育てしていてくれればそれでいい。4月からは、保育園に通えることになりました。

 我が家の暴れん坊将軍には、保育士さんが、一人加員されて付きます。人と同じことをするのが嫌いでじっとしていられません。それでも、お友達の中でどんな一日を過ごしてくるのか楽しみにしています。