一人旅などと格好いいものではありませんでした。必要に迫られて、子育て奮闘中の東京に在住する娘のヘルプに応じての新幹線での東京行きでした。

 古希で半身麻痺のばあばなれど、歩行力が落ちていなければ、電動車いすでなくても、新幹線に乗って、そこからの在来線への乗り換えもできるだろうにと、思うものの、それ以上に車いすが必要だったのは、駅前ホテルに滞在し、そこから娘の賃貸マンションまで、一週間通いで娘のサポートをすることになっていたからでした。

 新幹線を車いすで初めて利用することの不安はありましたが、それ以上に不安だったのは、娘の住むN駅まで山手線を利用して車いすで乗り込むことが可能だと想像できない事でした。

でも大丈夫でした。JR駅員のサポートは完璧で、安心できるものでした。N駅には、京浜東北線も通っていて、案内されたのは、京浜東北線の、車いす乗り込み用の車両でした。山手線以外に止まらない駅があるものかどうか分かりませんが、京浜東北線のホームでの待つ場所は色分けされていて、乗ると車いすの停車位置も確保され、明記されていました。

 サポートしてくださる駅員さんは、エリアごとに何人にも引き継がれていくのですが、皆さん、掌サイズのクリアファイルを持っていて、記録された同じ情報を持っているようで、連絡を取り合っておられる様子は信頼できるものでしたし、その都度の私への声掛けは、丁寧で、安心できるものでした。東京駅まで婿殿が迎えに来てくれたのも大きな安心材料でしたが、これならいざというときは、一人でも来られるかもと思いました。ですが、付き添いの人がいるということ、迎えの人がいるということは、JRの駅員さんにとっても安心につながるようでした。そりゃあそうでしょうね、車いすの年寄りが一人では、気遣いも大きくなるというものでしょう。

 東京という街も、心配したほど、冷たく不親切な街ではありませんでした。同じ日本だったという感じです。私の住む街では、外に出ると同じ電動車いすや、シニアカーを利用している方に必ず会いますが、N街は大きな住宅街ですが、車いすやシニアカーの利用者には会うことはありませんでした。それでも皆、親切でした。もっとも、私が接するのは、ホテルの従業員や飲食店や買い物時の店員さんですから、親切なのは、当然と言えば、とうぜんですが・・・。東京という街は、サービス業の方々の教育が行き届いている街なわけですから、そこは、地方都市や、田舎の人より親切ですものね。

でも、街で会う一般の方々も冷たいというわけではありませんで、そこは私の杞憂でした。

 次は娘の出産後の手伝いに行きますが、東京の住宅街を電動車いすで楽しんでこられる心の余裕ができました。

 JRサポートダイヤル0570008989