歌の文句にあるように、寂しさのつれづれに、かつて勤めていた有料老人ホーム「ハイジの園」で、私が出逢った人々のことをお話してみようと思います。

 年を取るということは寂しさとの戦いなのでしょう。誰も彼もがびしんぼでした。

 私は看護師資格を持つホームのサービス責任者でした。

 いわゆる問題行動を起こす人々の内には、いいえ、ホームに入居している誰も彼もの内に、寂しさが覗いて見えたのです。私達は限りあるマンパワーの中で、一人一人の寂しさに添う闘いをしていました。

 様々な反応を起こす人々、サービススタッフの若い笑顔と苦悩。思い出しては寂しさと闘う日々です。自分自身が半身麻痺要介護者となって、初めてかつて出会ったご利用者様達の寂しさがどれほどのものだったか理解できた気がします。分かっていたつもりだったに過ぎなかったのです。

今なら、ハイジの園で出逢った人々を思い出しながら、彼等の気持ちの近くでお話しできる気がします。

 私は、看護師(当時は看護婦)資格を取って以来

ずーっと、自分の生活に合わせて職場を替えながら

臨床現場のナースとして働き続けてきました。

しかし、医療現場の中のケアに憧れだったナイチンゲールの精神・理念の実現は望むべくもなく、望みを介護の現場に求めて50歳を目前にして最後のチャンスと考え転職したのでした。