2月の読書
読んだ本の数:73
読んだページ数:7438
ナイス数:2513
まとめるのに困るぐらい、
好きな作品が多かった!
実際、字数を超えてしまい、
何冊も削らねばならなかった
◎小説
「1(ONE) 」著者:加納 朋子
20年ぶりの駒子シリーズ新作! 新着チェックで予約。
過去3作を再読し、万全の体制♪ 前書きに「ストレートな続き」ではないとあり、残念に思いながら読み始めると……。これは、もしかして?と、頬が緩む。
タイトル「1(ONE)」は主人公レイちゃん一家の犬の名前。ワンはまさしく家族の一員で、唯一であり、一番! そしてワンの後輩ゼロも、同じく。忠犬という言葉があるが、可愛がられた犬は人に尽くすのだね。
切ない話、許せない話もあるが、優しさと温かさがいっぱいで、幸せな気持ちに包まれ読了♪
他の加納作品も再読したくなった。
「アンと幸福」著者:坂木司
大好きなシリーズ4。新着チェックで予約。
前巻で椿店長の異動が決まり、アンちゃんと同じくらい心配だった。新店長はどんな人? アンちゃんの進む道は? 乙女との関係は? それらに答えながら、日常の謎、お菓子に関わるウンチクや美味しそうな描写も満載で、楽しく読めた。
相変わらずの椿店長の服装センスには吹いた。乙女のあまりの面倒くささに、ちょっと引いてきたが、次巻で挽回してほしい。
その次巻、また別れが多そうで心配なので、早めにお願いしたい。
それにしても、西行の和歌(短歌)を俳句として扱うのはどういうこと???
「あなたが誰かを殺した」著者:東野 圭吾
新着チェックで予約。長い行列だった。
加賀シリーズなので、期待していたが、期待通り!(この前に読んだ魔女シリーズは、どうも合わない)
閑静な別荘地で起きた連続殺人事件。残された人々は真相を知るため「検証会」を開き、長期休暇中の刑事・加賀が立ち会うことになる。誰もが怪しく見える。そして、怪しくなさそうな人がもしかしたら、とも思う。そんな気持ちに揺れながら、ページをめくり続けた。
「刑事に嘘は通用しない」加賀刑事の優秀さと人間の哀しさを痛感。
後で読んだ夫が「映像化するには低予算でつくれそうだな」と。ぜひ観たい!
「まぼろしを織る」著者:ほしお さなえ
新着チェックで予約してから、閉館前に遠い方へ行ったら新着棚に残っていた! ほしおさん、まだまだ知られていないのだろうか。でもラッキー!
シリーズ物が次々と完結し、その後に登場した新作は、舞台はもちろん川越だが、素材は染め織り。生きる意味を見出せない主人公「槐(えんじゅ)」、心を閉ざしている従弟「綸」など、少し重苦しい出だし。けれど、手仕事の魅力、映像で見たくなる色の描写やサスペンス要素まであり、引き込まれた。
「生きる」ということに真摯に向き合う良作。「著者渾身の感動作」という紹介にも激しく同意。続編希望。
◎児童書・YA
「博物館の少女 騒がしい幽霊」著者:富安陽子
「博物館の少女」シリーズ2。
気になりつつ、積読が多くスルーしていたが、読友さんご紹介で借りてきたら、一気読みの面白さだった♪
主人公イカルは創作上の人物だが、歴史的な人物がからむことで、面白さは倍増。歴史ファンタジーというのだろうか? その上、ミステリーとしても上質。YAに分類されるが、大人も十分楽しめる。
今回は、薩摩出身の陸軍卿・大山巌と会津出身の捨松が結婚生活を送る家で起こる怪異譚。
イカル、トノサマ、アキラ、トヨ(河鍋暁斎の娘)の主要人物に加え、捨松、その家族も魅力的だった。
3は出たらすぐ読もう!
「マリはすてきじゃない魔女」著者:柚木 麻子
新着棚で、「柚木さんの初児童書!」と大喜び。でも、さすが、柚木さん。単なる児童書ではない。大人も十分楽しめる作品。
11歳のマリが突拍子もない行動をすること、また、マリの両親が魔女(女性)同士であることに、初めは驚いた。だがだんだんと、どれも自然なのかもと思えてくる。人間と魔女との共存や対立、トランスジェンダーなど、考えさせるテーマをユーモア交えて描き出す。
あとがきの「小さなころから魔女が大好き」。講演会の時の柚木さんを思い出すと、わかる気がする♪
自分に自信が持てない人。柚木マジックにかかってみよう!
「ねこもおでかけ 」
著者:朽木 祥 高橋 和枝
ネットギャリーで先読みし、新着棚で紙の本に出会った。
大きなラブラドール犬・ダンと散歩中の信の前に飛び出したのは、小さな捨て猫。信の家族となることに。読者を一気にお話の世界へ引き込む出だし、さすが朽木さん。
猫や犬の生態、飼い方などのリアルな描写と、ファンタジーの組み合わせが絶妙! 動物を飼っているあなた、チリンと鈴の音が聞こえたら、よーく耳を澄ましてみて!
高橋和枝さんの絵がかわいすぎる~。
筋には関係ないけれど、「おねえさん」は、高橋さんがモデル? なんて、考えるのも楽しかった♪ #NetGalleyJP
「ひみつだけど、話します」著者:堀川理万子
新着棚で。
小学3年生の足立くん、小川さん、うっちゃん、上田さんは、それぞれ秘密を持っている。放課後、自分の時間を過ごす4人。ある時、それが交差して、お互いの「秘密」を知って……。
ああ、小学生って、こんなだったんだなと、大人になってしまった今、思う。瑞々しくて、うらやましい。小学生が読めば、親近感を持つのかな。最後の上田さんの変化がうれしいね。
担任は、うーーむだけど、何もかもいいこと、誰も彼もいい人ではウソっぽくなってしまうから、うーーむな人もいていいのかも?(笑)
作者自身の挿絵は、やっぱりいいな♪
◎絵本
「おやすみレストラン おすしやさん」著者:misato.
新着棚で、表紙の絵と大好きなお寿司に惹かれて。
めちゃめちゃかわいい!!! 夜のお寿司屋さんで、眠る準備。卵を割ったら、黄色い毛糸が入っている。それを編んで、白くまがかぶったら、卵のお寿司(笑)
リズミカルな文章もとても良くて、音読したくなる。柴田ケイコさんのとは、また違う良さ♪
読後、すぐにmisato.さんのSNSを探してフォロー(笑) アニメーションもつくっておられるそうで、SNSでは、かわいいものが動いてる!
もう一冊絵本がヒットしたが、県内検索してもないのが残念。
「たいせつなこと」
著者:マーガレット・ワイズ ブラウン 内田也哉子
木村美幸さんの講演を聞き、再読。
スプーン、ひなぎく、あめ……。それぞれが持つ個性、特徴を挙げながら、最も大切なものを選び出す。物事を丁寧に、じっくりと見つめる中で、大切なものを見出す。そして、それを絵で表現する。あなたにとって、私にとって、大切なことを、もう一度考えてみよう。
最後のひとことは、訳者 内田也哉子さんの夫である本木雅弘さんの書だそうだ。
「あたしは本をよまない」
著者:コウタリ リン ちばみなこ
遠い方の新着棚で。意外なタイトルに惹かれ、袖に「日産童話と絵本のグランプリ童話部門の大賞」とあり、これは読みたいと借りてきた。
結論、面白かった! やっぱり大賞になる作品は違う。アイデア、展開、よく考えてあるなあと感心。本だけでなく、人との付き合いが苦手な”あたし”。同じように、いつもひとりの転校生の木田君が気になる。うるさい草野君は一番の苦手。そんな時、木田君にどうしても聞きたいことができて……。
あたしの揺れる気持ち、変化していく3人の関係、爽やかなラスト♪ 次作が楽しみ!
ちばみなこさんの絵もとてもいい。
「ともだちの かたち」
著者:ダニエラ・ソーサ 木坂 涼
遠い方の新着棚で。さりげない感じで、抑えた色数の絵に惹かれて。
友だちがいないと悩んでいる子、いるよね? 大人だって、案外いるんじゃない? でも、実は、友だちの形っていろいろ。出会いや付き合い方、さらには人以外のものまで、いろいろな友だちの形を挙げながら、悩んでいる人の背中を押してくれるような絵本。
他の作品がヒットしないので、日本ではデビュー作なのだろうか? 次作が楽しみ♪
◎コミック
「夜明けの図書館」著者:埜納 タオ
遠い方で全7巻をまとめ借り。
最終巻7巻での一番は、やはり災害の記録を残し、のちの助けにしようとする取り組みの話だった。忘れたい、忘れられない、忘れてはいけない、それぞれに揺れる思いがあるだろう。
小学校の図書室への教員の無理解、ありそうな話。でも、諦めず、働きかけることが大事なんだ。
仕事をする父親と育児専従の母親の気持ちのズレ。これもありそう。
ラストも、ひなこさんの努力、前向きな姿、他の司書さんたちの行動も、爽やかだった!
完結は残念! その後のひなこさんたちを知りたいが、また再読したい作品に出会えたことを感謝。
あっという間だった2月。
でも、振り返ると、
素敵な本、展覧会、
美味しいものでいっぱいだった。
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