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改善状態の維持が大切

 便秘症よくある病気で、大したことではない。と考えられがちです。
でも一部での便秘症のお子さんは、便をする時にとても痛い思いをしたり、苦しんだりしていることが多く、決して放っておいてよい病気ではありません。

<硬くなり慢性化>
 便秘便がたまった、または便が出にくい状態である。ことは分かるとしても、排便習慣個々に異なるため、どこから便秘症とするかは感じ方がまちまちです。
国際的にはRoma IIIという診断基準があります。
回数に関して大ざっぱに言えば週間に回以下の排便一つの目安になります。
しかしながら、たとえ毎日排便があっても、少量しか排出せず、常時スッキリしない状況であればこれも便秘症として考えるべきでしょう。
 日本で小児便秘症の頻度ははっきりしません。
例えば児童185%が週に23回の排便回数であったという報告があります。
女子高校生便秘日に回未満)については30%程度ともいわれています。
腸内に長くとどまった便は、水分を吸いとられてくなっていきます。
くなった便直腸にうまく送り出されずに詰まってしまうと、腸内にたくさんの便がたまっておなかの張りなどが起こるのです。
また、便くなると、排せつの際に肛門が切れる裂肛が起こることがあります。
見た目では分からない程度でも、排便のたびに強く痛むため、お子さん排便我慢するようになります。
すると、くなった便がさらにたまってしまい、便秘悪化慢性化につながってしまいます。
便秘症の治療の目標は便秘でない状態に到達あるいは復帰し、それを維持することです。
一時的にかん腸排便して終了というわけではなく、それを維持することが重要です。

<下剤使用で誤解>
 かん腸坐剤に限らずいくつかの経口薬も使用されています。
ここで便秘症治療の最も誤解のもとになっているのは、下剤は癖になるので、使わなくなると便が出なくなるだからあまり使わない方がよいという発想ではないかと思っています。
これに関しては、ウンチをため込むと腸が引き伸ばされる。」「伸びたパンツのゴムみたくなると、縮みにくくなり余計にウンチが出にくくなります。という説明をします。
確かに一部の下剤には長期連用を避けた方がよいものがありますので、使用には医師ご相談ください。
 本文の内容は、日本小児栄養消化器肝臓学会日本小児消化管機能研究会で共同で作成した小児慢性機能性便秘症ガイドライン参考にしています。
同学会ホームページ(HP)の患者様むけパンフレットで紹介していますのでご参照ください。