先月22日に、ロンドンのコロシアム劇場に『千と千尋の神隠し』(英題Spirited Away)を観に行きました。
この公演の千秋楽の前々日で、全席売り切れで、劇場は超満員でした。
『千と千尋の神隠し』ロンドン公演は、5月7日からの全ての日程(135ステージ)で、コロシアム劇場2,300席がSold Outだったことを後で知りました。ざっと計算しても、30万人以上の人が鑑賞したことになります。
その日の配役は、千尋は上白石萌音さん ハクは醍醐虎汰朗さん、湯婆婆/銭婆は朴路美さん でした。しかし、正直に言うと 私はその誰一人として 知りませんでした。
劇は、全て日本語で、英語の字幕が何ヶ所かに表示されていました。観客のほとんどが、日本語を解さない人達なので、字幕を読むのは不便だろうと思いました。
私の席は、舞台からだいぶ離れていたので、俳優さん達のセリフが全て聞き取れたわけではなかったので、そこは、以前見た映画を思い出しながら理解しました。
多分、今日の公演を観に来ている、ほとんどの人が映画を観たことがあると思われたので、舞台の内容を容易に理解できたのでしょう。
映画『千と千尋の神隠し』は、英国でも有名な作品です。
千尋役の上白石さんは、全身で千尋を熱演していて好感が持てたし、全ての役者さんがそれぞれの役柄を表現力豊かに体現していました。私は、特に釜爺を演じた橋本さとしさんが、優しさとユーモアに溢れていて、いい味出していると感じました。
私は、架空の世界で繰り広げられる物語で、場面も目まぐるしく変化するので、それをどのように舞台で表現するのか、大変興味がありました。
湯屋の中の様子(従業員達の大部屋も含めて)、カオナシが、湯屋の従業員達を飲み込んで巨大化していく様、湯屋のお客の腐れ神が、ゴミや泥を吐き出して、スリムになって湯屋を出て行く様、銭婆の住んでいる所まで行く電車の様子 が舞台装置や演技で上手く表現されていたので、見事で見応えがありました。
やはり 舞台は迫力や臨場感がありました。登場人物達への共感度や親しみが増しました。
千尋が、ハクにおにぎりをもらって、泣きながらそれを食べる場面はジーンときました。
また彼女が、小さい時に川でハクに助けられたことを思い出して、ハクが自分の名前を思い出す場面は、感動的でした。
しかし、千尋が、遥か昔のことを懐かしさを持って思い出した時のノストラジ―の感覚を感じることはできませんでした。その点は、舞台より映画の映像と感動的な久石譲の映画の曲の方が、優れていると思いました。
ダイナミック、カラフルでユーモアに溢れた舞台は、間もなく終演となり、カーテンコールは、満場の拍手で終わりました。この時、言葉や文化の違いを超えた共感を感じました。
舞台正面
舞台右側のボックス席
美しい観客席の天井
コロシアム劇場正面玄関ホールの天井
美しい装飾画は、一見の価値があります。
黄金色のドーム天井は、イタリア ヴェニス サン・マルコ寺院の黄金のドーム天井を思い出させます。
同じく、玄関ホールの天井を、2階から見る。
ロンドン地下鉄の駅で見た 広告