同じ物質だった僕らは
なぜこんなに違ってきたのか
何度も何度も枝分かれ
僕が探している君は
もうずうっと前に抜け殻で
君はどんどん離れていってるのかな
つる草のように
結びつくものを探して
分裂を繰り返す
僕らはもう同じ物質ではないのかな
それでも
そうだ手を伸ばす
正しくなくても
届かなくても
新しい万年筆を買った
さよなら、と書くために
霧雨という名のインクは
驚くほど心に優しい色のしずくをしていた
きっとこのときのために
私は生まれて
きっとこのときのために
この雫は生まれたのだ
群れることが昔から苦手な私は
ひとりで帰ることがほとんどだった。
雪が積もると
それらを掘ったり触ったり溶かしたりするのが楽しくてたまらず、
いつもよりはるかに歩みが遅かった。
屋根の雪がどさりと落ちる音に
少し驚き、後ずさる。
あまり建物に近いと、屋根から落ちる雪で埋まってしまうので気をつけなさい、と先生に言われたのを思い出したからだ。
どこかで水滴の音がする。
そして、それ以外の音がしないことにやっと気づいた。
直感する。
誰もいない。
人間は私だけしかいない。
わたしは、
わたしは一人になってしまった。
私のいる世界だけが雪で密閉されたような、同時にどこまでも続く世界で本当にひとりきりのような不安感。
夢で見たのと同じだ。
夢でも私は誰もいない世界で
なぜか車に乗って坂をおりていく。
止める方法はわからない。
どんどん加速がついていく。
もう、どうすることもできない、こわい。
それに、誰もいないのに誰かにみられてる気もする。
そう、空から。
夢が現実になったような気がして、
夢中で家まで走った。
何度か転んだ。けど、気にせずに走った。
家に着いて、おばあちゃんの姿はみえなかったけど、ストーブの上にあるやかんがシュウシュウと音を立てていて、ほっとした。
雪は白くて綺麗だけど少しこわい。
ハーメルンの笛吹きの話がこわいのによく似ている。
今も、ひとりになる夢はよく見る。
今もひとりになろうとしてるんだろうか。
ひとりで帰ることがほとんどだった。
雪が積もると
それらを掘ったり触ったり溶かしたりするのが楽しくてたまらず、
いつもよりはるかに歩みが遅かった。
屋根の雪がどさりと落ちる音に
少し驚き、後ずさる。
あまり建物に近いと、屋根から落ちる雪で埋まってしまうので気をつけなさい、と先生に言われたのを思い出したからだ。
どこかで水滴の音がする。
そして、それ以外の音がしないことにやっと気づいた。
直感する。
誰もいない。
人間は私だけしかいない。
わたしは、
わたしは一人になってしまった。
私のいる世界だけが雪で密閉されたような、同時にどこまでも続く世界で本当にひとりきりのような不安感。
夢で見たのと同じだ。
夢でも私は誰もいない世界で
なぜか車に乗って坂をおりていく。
止める方法はわからない。
どんどん加速がついていく。
もう、どうすることもできない、こわい。
それに、誰もいないのに誰かにみられてる気もする。
そう、空から。
夢が現実になったような気がして、
夢中で家まで走った。
何度か転んだ。けど、気にせずに走った。
家に着いて、おばあちゃんの姿はみえなかったけど、ストーブの上にあるやかんがシュウシュウと音を立てていて、ほっとした。
雪は白くて綺麗だけど少しこわい。
ハーメルンの笛吹きの話がこわいのによく似ている。
今も、ひとりになる夢はよく見る。
今もひとりになろうとしてるんだろうか。
