遂に最新刊までたどり着いてしまった…
私にとって十二国記シリーズを読むということは、長く厳しい連山を登り降りし続けるような旅でした。
正直にいうと楽な山はひとつもなかったです。とても険しい山を登ってきたなぁと思います。
だけど振り返れば楽しく、ひたすら楽しく、あっという間の旅だった(爆速で読んだから事実あっという間ではあった)
これを読んでしまったらしばらくは新しいお話に触れられないんだ、という寂しさがありちょっとためらったりもしたのですが、でも一度読み始めたらもう没頭。今回も最高でした。
【あらすじ】
「これは、あなたの物語。」シリーズ累計1400万部突破の大河ファンタジー「十二国記」7年ぶりの新刊。 『白銀の墟(おか) 玄(くろ)の月』に連なる、戴国を舞台にした四つの物語。
【戦城南】
本編(白銀)を読んでいた時、明らかにここで運命が変わってしまったなと思う箇所は間違いなくあの火事のシーンだったと思います
あの火事の時、驍宗さまがあの場から消えてることに目ざとく気づいた彦衛。やめてよ、気が付かないでよ、勘良い人ここでは出てこないでよ、とハラハラしたことをよく覚えています。その後の展開がまた、絶望だったので。
ここでこうなってしまう、ということも含めて、些細なきっかけや偶然ってやっぱり恐ろしいと思っていたんだけど、今回この【戦城南】を読んで、偶然や些細なきっかけというものは意思を持っているのかもな、と思いました。
ほう都、大好きだったからちゃんとその後が描かれていて嬉しかったです
人も仙人も妖魔も神獣も、死んだら誰一人生き返ることのない十二国記の世界だからこそ、人の死というものがこんなにも悲しくて、死者を尊び偲ぶ人の行いにこんなにも救われる
【夢の結び】
初めて優しくしてくれた洽平(風采の上がらない小太り中年。←本当に本文にこう書いてある)のことがずっと大好きで慕っている白玉ちゃんが可愛すぎる。雛の刷り込みみたいなの。
何があっても洽平、洽平、なんだよね。終始めちゃくちゃ推してて白玉ちゃん可愛い。
途中で出会う英章様(本シリーズにメインで出てくるキャラクター。ドライでクールなイケメン)に対しても、
洽平>>>>>>越えられない壁>英章様
なの最高すぎる
「私が一緒に連れて行ってやろうか」っていう英章様に「嫌です」って白玉ちゃんが即答するのたまらんかった
そうだよね、白玉ちゃんは洽平じゃなきゃやだもんね、うんうん…!
そんな2人に洽平がオロオロしてるのも良かったな〜
このお話に出てくる全員にほっこりしました
十二国記にこういう話が入ってるのすごく新鮮。でもまたたまにこういうの読みたいなー
厳しい時代の戴のお話であってもこういう一場面もあったのかと思うと胸に幸せがじわじわ広がります
【幽冥の岸】
これが。
これが読みたかったの。
戴のその後も勿論だけど、泰麒のその後が読みたかったの。
素晴らしい、あまりにも素晴らしいお話だった。感謝しかないです。
前回、深く深く傷ついた泰麒。
そんな傷ついた泰麒の心を理解するのは、同じ蓬莱出身であるかどうかはあまり関係ないんだな
『蓬莱から来た仲間である景王陽子や延麒六太』ではなく、『蓬莱出身の景王陽子にずっと寄り添ってきた景麒』だからこそ泰麒を理解する…というのは本当にあることだと思う。
でもなかなか気がつけないことだから、ここで景麒なのが心底凄いなと思いました
そして、そんな景麒だからこそ、泰麒を慰めるのでも癒すのでもなく、きちんと叱り諭すことができる。
この流れ何なの…凄すぎじゃん…涙
そうか、そうだね、そうなんだよね、ってひたすら泣きながらうんうんって言ってました。泰麒に景麒がいてくれてよかった。景麒がこういう人で良かった。
景麒は泰麒が心の底から求めていたものを正しく与えられる人なんだよなぁ。
景麒と6日間話をするというこのシーンがあったからこそ、泰麒は大丈夫だなと思ったし、
この景麒とのシーンのおかげで、この後に立ち直っていく泰麒に凄まじい説得力がありました。
「今は自分のために泣くことを許します。けど傷が癒えたら民のことだけを考えなさい」っていう景麒の言葉、泰麒を救うこれ以上ない言葉だったし、そしてこれ以上なく重い言葉でした。
泰麒のところに景麒を向かわせた景王陽子も最高にかっこよかった。
景麒が泰麒を優しく慰めたりしないことをちゃんとわかってて、それでも自信を持って景麒に行かせるの痺れます。
そして何より、陽子自身がこれから背負うものへの覚悟…潔く、かっこいい。こんな王のもとで生きていきたい。
と、とにかく素晴らしい表題作でした。
戴の長い長い話の最後にこのお話を読めて良かったです。
今までも十二国記はシリーズ通して大傑作だと騒いできましたが、この表題作は十二国記のエンドロール(映画じゃないけど(笑))でもう一度流してほしいお話。それくらい素晴らしいし、好き。
この先何度も読み返そう。迷っても振り返りたくなっても、私には十二国記があるから大丈夫。
また読み返して、長いシリーズを読み終えた最後にまたこの【幽冥の岸】を読んで、そしてまた好きだなって素直に思っていたい。
大好きです。何回もそう思う。
と、勝手に最終回みたいなレビューになりましたが、十二国記終わってないのでまたいつか新刊が出ると思います。(笑)
ここで完結か…ってくらい素晴らしい形で戴のお話が閉じたので、次は何の話が来てもまた新鮮な気持ちで飛び込んでいかれると思う!今から楽しみだし、ワクワクしている自分が嬉しいです。
あー十二国記に出会えてよかったー!
感謝です。ほんと、感謝!!
