お店に出ると一番に、赤いシャレた紙袋を手渡された。
近所の Soul Bar STOMP のマスターが、先ほど持ってきたものだと言う。
中を覗くと、一冊の単行本と、チラシの数枚。
新刊のタイトルと著者名に目をやった。
江守 藹著
と、あった。
「黒く踊れ! ストリートダンサーズ列伝」
エモリアイのアイの字は、こんな難しい字だったなんて、初めて知った。
エモリ アイさんは、上の世代の人なのだけど、学籍のある大昔に接点のある人だった。
アルバイトから入りどっぷり浸かった、私の青春メモリーなのだけど。
当時、何度も顔を合わせたものの、今や彼の記憶に断片でも残っているかどうか。
ましてや今の女姿の私に、記憶を重ねることは不可能ね。
実は、数年前に偶然知って、白金のDANCETERIAに遊びに行ったこともある。
私は、中学生になった頃から、ラジオの深夜番組で洋楽を覚え.。
常にPOPな音楽が傍にあった。
Soulミュージックは、Rockに比べて、聴く音楽ではないと、どこかで思ってた。
それなのに、すっかり体に染みたのはどうしてかしら。
あのメロディにあのリズム、体が自然に動き出すもの。大好き。
私も難なく朝まで踊っているほど、タフだった。
当時、縁が高じて、私の周りはSoul music業界のカリスマ的な仲間に囲まれてたの。
各レコード会社の洋楽部にも顔を出し、ビルボードのランキングを気にかけた。
黒人の友達も何人かいて、私から人種の偏見を消してもくれた。
後々に、多国の人と同じオフィス内で働くようになった時に、おかげで臆病にならずにすんだ。
その頃のプランニングの仕事が、一番面白い仕事をしていたと、今でも思うわ。
全くの別業種でのことだけど。 ・・・余談が過ぎたみたい。
関心のない人には何の意味もないだろうけど。
懐かしむ人には、涙ものだと思うわ。
往年、都会の街を謳歌していた遊び人たちには、バイブルね。
ホント言うと、読み始めたばかりだけど。
是非ここで、この本の紹介をさせて欲しいの。
今の若い人のダンス好きの人にもお勧めね。
ダンスシーンのルーツがわかる。深さがわかる。
ビジネス、文化の変遷がわかる。
頼まれた訳じゃないけれど。
私も時代の一翼を担ったと自負しているから。
頑なに業界を離れず、生き字引と化した人たちがいる。
なんて言ったらいいのかしら。「馬鹿ね」と言いつつ、頭が下がる思い。
この本に、推薦のコメントを寄せているのは、SAM やブラザーコンや、ブラザートム。
最後に、内容説明した文章を紹介するわ。
日本のソウル・ブラザーたちの友情と絆、苦難と夢、ダンスと音楽、遊びと武勇伝…。
日本のストリートダンス創成期に関わった著者が、時代のカリスマ達が創りあげた日本のブラックムーブメントの実態を解き明かす。
