タローくんと病気 | 野の花便り

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アラカン女子。5年前に克服したと思ったうつ病再発。経過の記録と日々の話です。

我が家にはもう一人(正確には一匹)の家族がいました。
犬のタロー君です。
15年近い月日を経て、彼は昨年暮れに旅立ちました。

小心者で温厚だけれど、頑固でやりたくないことは絶対やらない、
やりたいことはあきらめないという性格のあまり吠えない彼でした。

息子がほしくて迎えた犬でしたが、大学入学とともに家を離れ、
世話はほとんど私がしていました。

夫と私、タロー君だけの生活です。

そんな生活がある日から崩れました。

タロー君の飼い方がなっていないと言って、
毎日のようにやってくる人物があらわれたのです。

時には私の職場までタロー君のことで電話がかかってきます。
家に帰ると、毎日タロー君のことで置手紙が残されています。

精神的にも肉体的にも疲労困憊。
夫にどれだけ訴えても、
大変さを理解してもらうことはできませんでした。

もう、限界。。。
私は仕事をやめました。

それでもその人物はやってきて、
タロー君のことで指示を出していきます。

タロー君は誰の家の子なんだかわからなくなってきました。

タロー君はかわいいです。
でも、私は愛情表現が豊かな方ではありません。

全然かわいがっていないと思われていました。
幾度もその人物に叱られました。

そのうちにタロー君は私にとって、
「預かり物」をしているみたいになってしまいました。
これをしたら何て言われるだろう、また叱られるのではないか。。。
そんな緊張感にとらわれて、純粋にかわいいと思える感情が
どこかへ行ってしまいました。

いつまでこんな生活が続くのだろう。。。
暗闇のなかにいました。

緊張と監視されているかのような生活のなか、
とうとう私はうつ病になりました。


タロー君も高齢となり、病気がちになりました。
最後には大病をして、安楽死も覚悟しました。

でも、タロー君は亡くなる2日前まで食欲旺盛で
最期もあまり苦しみませんでした。
静かに息をひきとりました。

その時、私の心に浮かんだのは、
「これでもうあの人はやってこない」でした。
悲しみより安堵感でした。

タロー君は今、家の庭に作ったお墓で眠っています。
最近になって大きな喪失感を感じるようになりました。


愛情表現も飼い方も
人それぞれだと思う私は冷たい人間なのでしょうか。。。