私の亡き夫は、白血病治療による骨髄移植後に拒絶反応を抑える目的で免疫抑制剤を飲み始めました。

同時期に骨髄移植をした人が次々と免疫抑制剤から卒業していっても夫だけは中止できず、何年間も免疫抑制剤を飲んでいました。

 

 

免疫抑制剤を飲んでいると、文字通り免疫が抑制されて、様々な感染症に罹患するリスクや、罹患後の重症化リスクがあります。

 

なので、ワクチンで予防できるものは予防したいところなのですが、難しい問題があります。

 

免疫抑制剤を使用中に不活化ワクチンを接種してもワクチンの効果が弱くなり、せっかく接種しても効果が得られないことがあります。

免疫抑制剤を使用しているからと言って、他の人よりも大きな副反応が出るわけではないですが、効果が出ないので最初から接種しなかったりします。

 

生ワクチンに関しては、免疫抑制剤を使用している時は基本的に生ワクチンの接種は行わないことになっています。

ワクチン株のウイルス感染症を発症するリスクがあるからです。

 

 

免疫抑制剤を飲まなくなっても、感染症のリスクが無くなったわけではありません。

 

骨髄移植によって、定期予防接種により獲得した免疫が低下または消失してしまうので、過去にワクチン接種をしてできた免疫が無くなってしまうからです。

 

(かなりはしょった説明です。ご容赦を)

 

 

 

この辺のことは、造血幹細胞移植の種類や、その方の状態によってもご案内の仕方が変わってきます。

 

今回お伝えしたいのはこの部分ではないので、詳しくは主治医にお尋ねくださいね。

 

 

 

今回この内容を書こうと思ったのは、ワクチンに関することを調べていたら、「骨髄移植等により免疫を失った方への予防接種再接種費用助成」についての案内を見かけたからです。

 

予防接種費用の助成は、その人が住んでいる地域によってルールが違います。

厚労省の調べによると、平成30年7月の時点で、全国の市区町村で「骨髄移植等の医療行為により免疫を消失された方に対する再接種への支援の実施状況等について」を調査したところ、何らかの助成事業を行っている自治体は5.1%でした。

 

私がザックリと検索した範囲では、令和になってから助成をしている自治体が増えているようです。

 

ただし、私が目にした範囲ではどこの自治体も年齢制限があって20歳未満に限られていました。

 

ご自身またはご家族が該当しているかも?と思われた方は、まず居住地の自治体のホームページを検索してみると良いと思います。

該当していそうなら、主治医や治療してくれた医療機関に相談してみると良いと思います。

 

造血幹細胞移植に限らず、抗がん剤治療等も対象となるようですよ。