せいり前だから。
せいり前だから、いやな気持ちに支配されちゃうって
思い込みたい。
じぶんでもびっくりした。
さみしくて、泣くなんて思いもしなかった。
夏休み前半は、っていうかほんとに最初に方だけは
幸せだったなー。
中旬からは最悪。
事故ったり。ぽしゃったり。
なにもかもがうまくいかなくて。
先週は彼氏が実家に帰ってた。
さみしいとは思わなかった。
メールも一日に一通するかしないか。
しかも「いつ帰ってくるの?」「日曜日かな。」
っていうような、本当に事務的な内容の。
今日帰ってきて、
彼氏が帰ってくるまで9時すぎまで待ってた。
がっこうで。
たぶん、自分でも気付かなかったけど、
すごくたのしみにしてた。
だからこそ。
「おかえりー。」「ただいまー。」
て会話して。
みんなに買ってきたおみやげの一つを渡されて。
「明日から旅行なんだよね。」
って言われて。
帰り道、たった100mぐらいいっしょに歩いて。
迎えの車を待つ私を一人置き去りにして彼は自分の部屋に帰った。
まさか人気のない学校の門の前に置き去りにされるとは思わなかった。
いっしょに待ってほしい、
とは言わなかった。
帰っていいよって言った。
だけど、まさか本当に放置されるとは思わなかった。
いっしょにいてほしい。
って一言がいえなかった。
1週間ぶりに会ったのに、
まさか放置されるとは思ってなくて、
びっくりした。
夏休み中、デート一回。
飲みに出かけただけ。
初デート。
二ヶ月つきあって初デート。
しかも、私が「じゃあ、呑みに行こうよ」
って言って、実現。
不満をためてるつもりなんて、少しもなかった。
だけど、いつのまにか少しずつ蓄積していって。
あとからあふれ出てくる。
ああ、
ずっとずっとわたしはさみしかったんだな。
自分のきもちをずっと抑えてただけなんだなって。
しあわせな話を聞いてしまうと、
自分が、本当はそうやってすごしたいんだと思い知らされる。
彼氏がマメで、毎日メールをくれて。
電話をしてくれて。
休みの日ができると、事前に教えて
デートの予定を立ててくれる。
別に取り立ててなにか特別なことをしてくれるわけじゃないけど。
そんな普通の話を聞いただけで、
泣きそうになった。
気が付かなかっただけで、
わたしはそういう普通のことがしたかったんだなーって。
そんな普通のこともない現状なんだってことに
気が付きもしなかった。
いっしょにいる間、彼はほとんど何も話さなかった。
「実家たのしかったー?」
ずっとだまってるから、聞いてみた。
「ずっと寝てた。まじで勉強がんばらんとなー。」
「夏休みしかダラダラできないんだからいいんじゃないー?」
「あー、まあ」
それぐらい。
ふだんから、彼といると、なぜかあまり何も話さないから、
なるべく質問するようにしてる。
たまに疲れるから
「なんか話してー。」と丸投げしてみたりもする。
(車運転してるときとか、
質問考えてると危ないからね。)
“べんきょうしないと”
と、言われるのがキライ。
ぜんぜん勉強できてないから、やらなきゃ。
と、言われるのがキライだ。
だったら、がんばるしかない。
それを私に言わないでくれ。
それを言われると、悲しい。
わたしといっしょにいる時間をつくるのが、
おっくうだって言われてるような気がしてしまう。
被害妄想?
そうかもしれない。
だけど、
わたしはいっしょにいる間はたのしそうにしてくれる人といっしょにいたい。
しあわせそうにしてくれる人がいい。
ただ前を黙って歩かれるのは、
いなくなっても気がつかないんじゃないかな。
って思ってしまう。
きっと私が立ち止まっても、気が付かない。
会話もしてないんだもん。
能動的に恋愛するのは、苦手だ。
だけど、私にしては努力してる方だとおもう。
帰るときは、彼のブースに顔を出しに行って、
なるべく自分からブースに会いに行くようにしてる。
彼がわたしのブースに来るよりも
私が彼のブースに行く方が多い。
そういうのが、苦手だ。
いままでがきっと、恵まれすぎてたんだろうと思う。
努力なんていらなかった。
メールは返さなくても毎日のように送ってくれて、
休みの日は当然のように私との時間にしてくれて、
次に会う日をたのしみにしてくれて、
愛を伝えてくれる人だった。
会いたいって、当たり前のように言ってくれていたから、
うれしいって、伝えられた。
だけど、自分から会いたいって言うことはほとんどなかった。
言う必要なんかなかった。
さみしい思いをする前に
彼がさみしい思いをさせないようにしてくれていたから。
だけど、
彼が忙しくなって、
私は自分がさみしいんだってことに気が付かないまま
手放してしまった。
いまにして思えば、私はさみしさに耐えられなかったんだとおもう。
彼といっしょにいても、
もやもやが解消されなくて、
「スキじゃなくなったんだ」って思って
さよならしてしまった。
ああ、ばかなことをしたなっておもう。
だけど、あのときは、
さみしいことに気がつかなかったんだよね。
自分のきもちに気付くのも遅いってことすら
知らなかった。
かわいそうな子だなって、
たまに自分のことを思う。
ACの本を読んで、
どうしようもないさみしさを抱えている人間のたいていは
親の愛情不足だってことを知って。
自分のその一人だって自覚を持って。
どうすればいいのか、わからないまま。
だけど、このままじゃいけないっておもって。
自律すること。
自分を出すことを恐れないこと。
それが枯渇しないで生きていくために必要だって知った。
だけど、わたしはコントロールするか、尽くすか、依存する以外の方法の
コミュニケーションを知らない。たぶん。
近い距離に人を置くのが、こわい。
けど、さみしい。
人にはない大きな闇をもっているから、
それを人にさらけ出すのが怖い。
人にはないものだから、
理解されないと思う。
ふだんは割とおちゃらけてて、
笑い話ばっかりで、
人に関わらないようにしてて
まじめな話もあまりしない。
気持ちの話は、言い訳ばかり。
そうやって、周りにも嘘をついてたけど、
自分にも嘘をつき続けていたから
それなりに人生を送れてきたけど、
払った代償は大きい。
人とのコミュニケーション能力の欠如と、
自分の感情を把握できないという欠点。
「いっしょにいたい。」
その一言を言うのが、こわい。
自分のことを好きだといってくれる人を、逃したくない。
拒まれるのは、怖い。
だけど、彼が自分のことを好きじゃなくなってしまう方が怖い。
“彼が好きなんじゃないかもしれない。”
うすうす気が付いてる。
自分のことを好きでいてくれている彼を
失いたくないだけ。
ああ、ほんとに弱い人間だなって思う。
話をしなきゃって思う。
けど、何を?
何をはなせばいいのかがわからない。
自分がどうしたいのかも、わからない。
カウンセリングで、話したいことがなくて困った。
だけど、本当は話したいことがたくさんあった。
それでも、言えなかった。
そのときは、思いつかなかった。
話したいことなんかないって、思った。
けど、思い込もうとしてただけなのかも。
素直になるって、こんなにも難しいことなんだなー。
せいり前だから、
いやな気持ちに支配されてるだけだって
祈るしかないな。