わたしは、わがままです。
ずっとずっとみんなと一緒にいたいのに、
ときどき、みんなといるのが苦痛になる。
もっともっと毎日活発的にうごきたいのに、
それ以上に休んでダラダラする時間がないと
イライラしちゃう。
自分が健康なときは気が付かないフリをするのに、
自分が病気になると
まわりに特別な配慮を要求する。
わたしは、わがまま。
わがままなほどに色んなことを
ほしいとおもってしまう。
母が、祖母の家に行っています。
祖母に、癌がみつかったから。
脳に転移してたことがわかったから。
だから、しばらく家には母がいない。
みんなに迷惑かけちゃうけど、
自分の親だから、
心行くまで看病させてほしいと、
メールがきた。
おばあちゃんの側にいてほしい、と思う。
私も母が病気になったら、
何もかもを犠牲にして、側にいることを選ぶ。
わたしだって、
おばあちゃんの側にいたい。
もうひとりのおばあちゃんが死んだとき、
後悔したから。
だけど。
母が家にいないとなると、
わたしは父と家に置いていかれることになる。
おなかを空かせた虎の巣に
放り込まれたウサギな気分。
「ごはん、何たべろって言うんだよ。」
なんて、言われても。
しらないよ。
わたし、昨日の夜中に帰ってきたんだから。
それとも、私が用意しなきゃいけないのかしら。
私が作ったご飯、たべないくせに。
ありがとうも言わないくせに。
洗面所には、たまった洗濯物。
これも、私が洗わないといけないのかしら。
この家で唯一はたらいてないのは、私だから。
日中家にいるのも、わたしだもの。
スーツケース片付けろって言われても、
頭が痛くて、
うごけないの。
こういうとき、母がいないと困る。
父には、私が病気だなんて関係ないから。
配慮とか、遠慮とか、おもいやりとか、
関係なくて。
自分が快適な環境にいることだけが、
彼の関心ごとだから。
母は、家に帰ってきても、
パートの仕事と、
人形劇のサークルと、
趣味のボイトレで
ほとんど家にいない。
家にいても夜の9時から2時まで寝てる。
「忙しくて、疲れる。」
という母に、
わたしはイラっとしてしまう。
「それ、私に関係あるわけ?」
と、冷ややかな目をしてしまう。
自分の好きなことをしてるのに、
文句を言うなんて。って。
サークルをやめれば、いいのに。
って思ってしまう。
母にはいま一番、精神的な支えが必要なのに。
つらい時期なのに。
気を紛らわせる時間が必要なのに。
わかってるけど。
わたしは心が狭いから。
わたしは、わがままだから。
大学二年生のときに、
バイトの帰り道で痴漢に襲われた私は
外泊禁止にされそうになった。
「そんなのいやだ!いまの生活を変えるなんて!」
と抗議した私に
「自分の楽しいことだけを優先して。
バイトも好きなことをして。
深夜に帰って。
遊んでるだけだもん、そりゃたのしいでしょ。
自分の好きなことだけしてるせいでしょ。
自業自得でしょ。」
と、母が言った。
レイプされかけた直後の私に。
これもきっと一生忘れない。
一生許せない言葉。
きっと母は、そんなこと忘れてるけど、
人を傷つける言葉って
たいてい本人にはたいしたことない言葉だから。
だけど、逆に、だからこそ。
わたしは言っちゃいけないんだと思う。
「自分の好きなように動いて、
父に捨てられそうになっても
家族に迷惑かけて総スカンされても、
自業自得でしょ。」って。
言っちゃいけない。
わたしはわがままだから、
イライラを積もらせてしまう。
あー、こんな自分がいやだけど、
わがままな思想をとめる方法が
わからない。
自分を変えるのって、
むずかしいことだな。