私ね、切りたいの。



なんで?




わかったんだよ、言うね。



私はね、虐待を無かったことになんてしたくないの。
絶対に無かったことになんてさせない。



私が回復して普通の人と同じように生活を出来て、普通の体型になって、手首からもリストカットの傷が無くなって…………
“まるで昔に何も無かったかのように”
暮らす自分になってしまったら、一体誰が私の“闇”に気づいてくれる?


一体誰が、あの、父親に、裁きを下してくれるの?


私の受けたキズは、一体、どうやって、訴えたらいい?






何も起きちゃいない。







何も起きちゃいないなんて言わせないし、免罪になんてさせない!!!




私は訴えたい!!!

自分が片足ひきずっても、三角巾しても、眼帯しても、包帯だらけでも構わない!
私は無関心だった世の中に、うちの親族に、母親に、姉に!!!!





身体中で訴えたい。




だから私の身体には“確かな証”が必要なの。
父親がした決して消せない罪も、
母親の裏切りも、
世の中の無関心も………
絶対に、
確かに、
起きた出来事なんだって。




だから私は、傷が無くなっていくのがすごく嫌で、リストカットがしたいの。