原題が『スコットランド女王メアリー』なので、メインはメアリー・スチュワートの方ね。
マーゴット・ロビーはめっちゃ可愛いのに、エリザベス女王の出で立ちでおまけに疱瘡にかかったという設定なので、その可愛さが半減しているのはちょっと勿体ない。終始『アリスインワンダーランド』でヘレナ・ボナム=カーター演じるハートの女王(赤の女王)と被る。あれ自体がエリザベス女王のパロディなんだろうけど。
メアリー・スチュワートとエリザベス女王の関係はちょっとややこしい。簡単に言えば従兄弟伯母、従兄弟姪の関係なのかな。萩尾望都の『王妃マルゴ』にも登場し、マルゴの義姉にあたる。時代背景的にはフランスはヴァロア家全盛期ってことだ。
ケイト・ブランシェット主演の『エリザベス』と『エリザベス:ゴールデン・エイジ』を観ているので、エリザベス視点でのメアリーは知っていたが、メアリー視点で観たらどうなのかという好奇心から観ることにした。
結果、あんまり面白くなかったな。『エリザベス』と『エリザベス:ゴールデン・エイジ』は面白く観られたのになんでだろう…。人間関係もややこしくてすんなに頭に入ってこない感じだった。
ダーンリー卿やリッチオが男色で関係があったとか、本当にそんな話があるのか、昨今のLGBT理解推進傾向で取り入れられたのかも謎。黒人の貴族もいたし、やはり多様性時代に犯された感あるな。
いろんな力関係や陰謀に巻き込まれ、結局処刑に追い込まれた感じだったけど、結果息子はのちの国王になれたのだから、良かったのか?
しかし、下手にスコットランドに戻るよりは、フランスにとどまった方が彼女は長生き出来たかもしれない。まあ、いつの世でも権力闘争とは恐ろしいものである。
映像的には処刑される直前に深紅のドレスを纏うのはビジュアル的には綺麗だった。