内野聖陽という俳優を知ったのはフジテレビのドラマ『ラブジェネレーション』だった。その時はナルシスティックな雰囲気でどっちかと言えば苦手俳優だったのだが、『黒い家』で一気に好感度があがり、『風林火山』『不機嫌なジーン』でかなり好きになった。
そんな内野聖陽主演と言うこともあって観てみることに。
原作は木下半太の同名小説。テレビドラマ、舞台、映画、漫画とかなりメディア化されているらしい。
エレベーターという密室劇だし、舞台にもってこいのストーリーと言えるかも。
あまり予備知識がなかったので、途中から「ああ、そういう展開ねー」と言った気分で、その後のどんでん返しも含めて、まあまあ面白かった。割とよく出来たお話かなーとも思う。
でもちょっと後味が悪かったかなー。いや、後味が悪いから駄目って訳でもないのだけどね。
『ワイルドシングス』や『ユージュアルサスペクツ』を引き合いに出されることもあるけど、わからんでもないかなと言う感じ。
2009年の作品だけど、斎藤工が若く感じたな。ほんとこの人は存在自体はエロっぽいよねー。
ネタばれ
ただねー、妻の依頼で夫の妻に対する本音を聞き出すために、えらくリスキーで凝ったことしたもんだなーという印象。そこまでやるか?って言うね。
管理人の気持ちの悪い演技もかなり不快指数をあげてくれる。
そして管理人が落ちたテレビで頭を打った時の描写が妙に生々しくリアルだったな。
あの描写だけめっちゃ力入ってる感じだった。
あれでよく死ななかったなーというか、探偵もあそこで管理人を殺さなければそこまで重い罪にはならなかったのにねーという気分。
探偵演じる内野さんは最初登場したとき、うさんくさいというか、臭い演技と思ったけど、探偵が演じているという設定だからわざとだったのね。
まあ、内野さんは悪くなかったわよ。ある意味期待通りというか。
モト冬樹も最初は全然気づかなかったけど、こういう役柄もはまるのね。
ゴスロリ少女が実はすべて仕組んだことだったというオチだけど、彼女が境界性人格障害という設定はちょっと違うかなーというか、作者は境界性人格障害のことを良く知らないんじゃないかなーという気がした。
どっちかと言えば彼女はサイコパスっぽいよねー。
それより斉藤工の浮気相手の女性の方が境界性人格障害っぽい。
はっきりいって妻がいることを知っていてつきあってるあたりで好感度下がるし、その女性の末路にはあまり同情出来ないかなー。
フィクションと思われた個々の背景がある程度事実に即していたとわかるあたりはちょっと面白かったかな。