誰もがうっすらと不安を覚える老後。

そんな不安にダイレクトに刺さるキャッチーなタイトル。

こりゃー、思わず観たくなる。

でも、公開当時評判も微妙だったので、結局このたびアマプラで観ることに。

 

令和元年に金融庁が公表した報告書、老後2000万問題なんて話しもありますが、そんな先の不安をどのように描くのか期待したんですが、どーも期待していたものとちょっと違ったような。

 

 

ネタばれ

 

夫正社員、妻はパート。ふたりの子供もそろそろ独立のお年頃。

家のローンありの、夫の両親には9万円の仕送り。現在貯金は700万ほど。

それが夫の父親の葬儀や、娘の結婚であれよあれよと減っていく。

 

義父の葬儀で見栄をはって300万以上の金額を使ったり、夫の両親が年金ではまかなえないような高級老人ホームに入ったりと、自分の感覚からするとちょっとあり得ないお金の使い方をするので、そのあたりから次元の違う話を観ているよう。

天海祐希以外はお金がないという現状に子供も夫の両親も暢気すぎちゃって、そこも理解に苦しむ。

そもそも老人ホームを引き上げる際に、息子夫婦に相談もなく貸倉庫に預けた荷物まで持ってきてしまうと言うのも謎の行動だ。

一軒家とはいえ、それだけの荷物が収まるとでも思ったのだろうか。

お金がないのに姑の贅沢思考が止まらず、クレジットカードでほいほい買い物してしまう事態はどうやって解決したのか、この映画の中ではわからない。

夫婦共に失業し、老後の資金どころか現在の生活も立ち行かないと言った状況で、コメディなのに笑えないというか、観ていて焦燥感が募るし、とても苦しい気持ちになる。

挙げ句年金詐欺に荷担しかけるし、祖母は生前葬儀なんてものをやろうとする。うーん、主人公以外のこの浮き世離れした感覚はなんなんだろう…。

 

天海祐希後藤芳乃が宝塚出身と言うこともあって、メタネタがぶっこまれる。

まあ、それくらいのお遊びは別にいいんですけどね。

後藤芳乃のおじいちゃんメイクははまってた。

 

そんなどたばたの中、嫁と姑の心が通いあい、ちょっといい話しとなる。

さらに、生前葬儀を堺に、夫は再就職が決まり、妻も仕事につき、突然何もかも好転する。

姑は夫の妹が引き取ることになるが、姑の大量の荷物とか、勝手にクレジットカードでお金を使ってしまう問題などは、この妹はどうやって対処するのだろうか。

で、夫婦は夫婦で、シェアハウスという新しい生活様式を見いだすという流れ。

 

まあ、そういう選択もあるかもだけど、どことなく非現実感を覚えるというか、この物語からはあまり老後の資金がないという問題をリアルに感じることは出来なかった。

そういう意味でやっぱり期待したものではなかったなー。