最初『ヒッチャー』みたいな映画かなーと思ったのだが、世間的には『激突』みたいな映画がイメージされていたようだ。
で、結果やっぱり『ヒッチャー』っぽい映画だなーという印象。
些細なトラブルから、まわりが理不尽に巻き込まれていく感じとかねー。
あまり評価は芳しくないが、思ったよりはスリリングで怖い出来だった。
ラッセル・クロウは役作りのためなのか、別人のような巨漢っぷり。
『クイック&デッド』の頃のラッセル・クロウは格好よかったなー。なんて遠い目になったよ。
ネタばれ
それにしても、主人公の女性にはとてもイライラさせられる。
離婚調停とシングルマザーとして仕事と子育てに追われる主人公は確かにストレスが多いだろう。
その結果寝坊し、遅刻。そして車の渋滞。
仕方ない出来事とはいえ子供の意見を無視して高速に乗ったり、妙に楽観視して顧客を失ったり、若干自業自得とも思えるその行動はイラリとくる。
挙げ句、異常者の車を煽ってしまい、執拗に絡まれることになる。
相手は何しろ異常者だから彼女が彼の言う通り謝ったところで穏便に済んだかどうかはわからん。
でも一応、彼の言うことも筋が通っているので、形だけでも謝っておけば穏便に済んだ可能性だってある。
その後も「さっさと警察に連絡すれば?」と言うシチュエーションでもたもたするので、イライラがつのる。
ロックのかかっていない携帯を車内におきっぱなしにし鍵もかけない。
(そして彼女が買い物しているわずかな時間に、犯人が携帯を盗み、iPadを車のシートの下に貼り付けるという用意周到な行動!?)
まあ、こういう隙がなければ物語がなりたたないのはわかるんだけど…。
挙げ句、犯人の言いなりになって子供を犯人の元に連れて行こうとさえする。いや、その前に警察行け!
(他にも警察に助けを求めるタイミングは何度かあったと思うのだがなかなかそういう行動に出ない)
学校も事情を知って子供を母親に渡すなんて事をするのか? いやいや、学校側の対応もありえんぞ。
警察は警察で、最初にお店で主人公をかばってくれた男性がはね飛ばされた時点で、もっと早く対応出来なかったのだろうか。
最初に警察官の人手不足が示唆されているので、人員が足りないとうことなのだろうが、それにしても…。
その後も犯人によって派手な交通事故が起こっているが、一行につかまる気配がない。
で、この母親が犯人と対決するところでやたらにタフになる。結構犯人にめちゃめちゃ暴行受けてたと思うのだが、殆どダメージを受けてない感じ。いや、あそこまでボコられたら犯人死亡の後も病院行かないとダメレベルだと思うのだが、警察も普通に彼女を家に帰すのね。
子供がせっかくバレそうにない隠し部屋に隠れたというのに、わざわざその部屋を母親が犯人に気づかせるような行動するのもイラつく。
とにかく彼女の行動には終始イライラ。
まあ、よしんば隠し部屋で見つからなかったとしても犯人が放火したら終わりなんだけどね。
一応犯人を葬って、あっけらかんとめでたしめでたし空気だが、この親子の為に弁護士は悲惨に殺され、弟は妻を殺されるわ、自分も命こそ助かったが大火傷をおったであろうし、交通事故で死んだりケガをした人も多数いたと思われるので、この親子だけが助かってもなんとも後味の悪い結末である。
最初の犯人の殺しは、離婚した妻とその再婚相手を殺したということなのだろうか。
それとも主人公同様、面識ない相手に一方的に怒りを覚えて殺したということなのだろうか。
ここはちょっとわからなかった。
格差社会で物事がままならず、鬱積した不満が爆発寸前という人間が少なからずいるだろと言う意味ではなかなかリアルな怖さはあったけどね。