アカデミー賞作品賞を受賞したし、評判もいいので、観てきました。

2014年のフランス映画『エール!』のリメイクなんですね。『エール!』は未見。

 

いや、いい映画。確かにいい映画なんですよ。

まるでいい映画のテンプレかフォーマットそのまんまというか。

聾唖者の家族の中でひとりだけ健常者で歌の才能のある娘という設定を聞いた時点で頭に浮かぶストーリーのまんまって言うか。

ただ、あまりにまんますぎて、いまいち涙腺に来ないというか、この映画を観て泣いたという声が多い中で、自分の感情は死んでいるのかと思った次第です。

 

いい映画だけど、別に映画館で観なくてもよかったかなー。

DVDでも良かったなーという、ようするにいまいち私の心には刺さらない映画だったんですねー。

 

 

ネタばれ

ふと『フラッシュダンス』を思い出したんですよ。

設定は違うけれど、才能がある主人公が、特別な基礎訓練を受けてないのだけど、芸術学校に受かるシチュエーションがねー。

しかもオーディションで一度失敗してやり直すシチュエーションもそっくりというか。まあ、ありがちな演出なんでしょうね。

 

主人公以外家族全員が聾唖者。しかも、主人公の才能がよりにもよって歌という、なんとも皮肉な設定です。

やたら性欲の強い友達や両親、個性的な先生など、登場人物は面白いです。

娘が家族の為に夢を諦めようとする際に、お兄さんが「家族の犠牲になるな」と言って怒る場面は、お兄さん素敵!と思ったし、娘の歌声を聞けない父親が娘の喉に触れたり、オーディションで手話を用いて歌ったり、いい場面はちょいちょいあります。

俳優たちも皆いい演技をしています。

最後はよかったよかったと言う気分にもなります。

 

でも、やっぱり、残された聾唖者の家族は今後どうするんだろうという一抹の不安が残るんですよね。

なんか娘が受験することで急に何もかも問題なくハッピーみたいな雰囲気で終わることに違和感というか。

ちょっときれい事過ぎるかなーという感じではあります。