『仁義なき戦いシリーズ』は有名だし、パロディにも使われるので、知ってはいるけど観たことがなかった。
以前から好きだった成田三樹夫氏が出演しているからと観てみたのだが、これ『仁義なき戦いシリーズ』の第二部にあたる作品で、思いっきり途中から観る感じになってしまった。
まあ、前作を知らなくてもさほど問題はないのだけど。
自分はこれをヤクザ映画のフィクションだと勝手に思ってたが、菅原文太演じる広能昌三のモデルで実際に広島抗争に関わった美能幸三の手記によるノンフィクションだったのね。正確には美能幸三の手記をベースに解説を加えた飯干晃一のノンフィクションが原作で、映画では多少脚色もあるかもしれないが、確かにちょっとドキュメントタッチではある。
ストーリーというストーリーは殆どなくて、ひたすら暴力と殺しが繰り返される殺伐とした映画で、あまりに人がぽんぽん死ぬので、なんだかコントのようにも見えてくる。
だからパロディとしても使われるんだなーと言う感じ。
菅原文太はシリーズ通して主役ではあるが、この映画では出番が少ない。出番にあたり何やらもめたようで、菅原文太は危なく降板になりかけたようだが、このあたりのエピソードもヤクザさながらの怖さがあるので、興味ある方は調べてみよう。
この映画におけるメインは山中正治演じる北大路欣也。もともとは大友勝利演じる千葉真一と役が逆だったらしいが、役が下品過ぎるという北大路氏の意向により入れ替わったらしい。
私はこんな悪い千葉真一を観るのは初めてで、なかなかインパクトあった。このキャラは仁義シリーズの中でも1、2を争う人気があるらしい。何がどう転ぶかわからないよねー。
『きのう何食べた?』や『罪の声』など、最近の梶芽衣子ばかり観てたから、若い頃の美しい梶芽衣子を久しぶりに観てしびれた。
川谷拓三がいつもながらいたぶられ、殺される悲惨な役。
成田三樹夫目的で観たとはいえ、あまりに男臭が強すぎてなかなか観ているのが辛かった。宮下あきらの漫画を読むくらいしんどい。成田三樹夫は好きだが、あまり自分の好きなタイプの映画に出ていないのが難点なんだなー。
それでも頑張って最後まで観たが、広島弁って事を抜きにしても、台詞がめちゃめちゃ聞き取りづらくて何言ってるか殆どわからんかった。
とりあえず成田三樹夫が格好よかったんで、よしとしよう。
とにかく、この映画の世界は、自分が生きている世界とは別世界というかファンタジーというか、世の中には、こういう世界線もあるんだという、そんな認識を新たにするような映画だった。