なんだかんだ死霊館シリーズはずっと見ているのだが、実はたいして面白いと思っていない。スピンオフの『アナベル死霊館の人形』がちょっと面白かったくらいかな。

 

で、本作もスピンオフなのだが、どうにも面白そうな気がしない。

それでもアマプラで無料で観られるし、一応観ておこうかなーと重い腰をあげて見て見たら、これが意外に面白かった!とはならない。まったく予想通りに面白くなかった。

 

良い点があるとするならば、ルーマニアを舞台に、実在の城をロケ地にしたり、ルーマニアの広大な風景なんかは綺麗。

 

wikiによると一種のナンスプロイテーション映画とも言われてるらしい。ナンスプロイテーション映画というジャンルを知らなかったが、『尼僧ヨアンナ』もそんなジャンルの先駆的作品にあげられてるのね。

 

 

ネタばれ

とにかく派手なだけのいかにもアメリカンホラーアトラクション映画って感じ。

なんかTPSゲームっぽいと言うのが今時映画なのよねー。途中登場する血の付いた頭陀袋を被って静止しているシスターたちなんか、『サイレント・ヒル』の看護師たちみたいだったし。

 

で、最初から最後まで悪霊が何をしたいのかさっぱりわからん。ちょっと出てきては脅かし、ちょっと出てきては脅かし、ちょっと出てきては物理的に神父を殺しかけたりもするのだが失敗する。中途半端に殺そうとしてないで本気で殺しにかからんかい! 冒頭で院長なんか秒で殺してるし、殺すチャンスなんていっくらでもあるじゃないか! とその行動は不可解そのもの。

まあ、悪霊の目的は誰かに取り憑いて修道院から出ることにあるようだけど、取り憑くチャンスもいくらでもありそうなものだが、全然取り憑こうともしない。

そんな感じで無駄に脅かしを繰り返すだけの、やってることは殆どお化け屋敷感覚だね。このシリーズ全体がずっとそんな感じなんだけど、もうそのパターンに飽きました。

 

で、こんだけやばい現象起こりまくりなのに、暢気に調査を続ける神父とシスター見習いの危機感のなさ。神父なんて何度も悪霊の罪悪感攻撃くらってるし、全然役にたたない。

生き埋めにされかかったのにまったくひるまない神父の精神状態が謎だわ。早すぎる埋葬を防止するために墓にベルをつけるエピソードは面白かったけど、悪霊はなんだってすぐに殺さず、シスターが助けに来られるようなベルを取り付けたんでしょうね。

そんでもって、墓場でシスターの悪霊に襲われるような怖い目にあってもふたりを助けにくる運び屋が律儀すぎる。私だったら二度と修道院には近づかないよ。この運び屋の精神状態もどうなってるの?

 

で、悪霊がねー、もうゾンビ状態なのよ。悪霊に応戦するのが銃っていうのもねー。どう考えても超自然的な力を持った悪霊に太刀打ち出来る気がしない。多少効果をあげてるけど、銃でやられる悪霊って言うのもねー。

 

悪霊を封印しようと地獄の扉を探しに行く際も何故か全員ばらばらになって行動したり、アホみたいに隙だらけ。

まあ、このアホみたいに隙だらけなところがバカホラー映画のお約束なんだけど、ほんとつまらん。

このいきあたりばったり感はグロくないルチオ・フルチ映画みたい。

 

最後は案の定誰かに憑依してましたってオチだけど、なんかひとりの男に取り憑いて少し暴れる程度の悪霊って、全然脅威感ないよね。結構な力を持った悪霊なのに、やることなすこと結局みみっちいのね。最後に無理矢理実話感だしてるけど、バックグラウンドがホラ話し過ぎるのよ。