巷では評価の低い『感染列島』を観てまたまた自分を追い詰めております。

最近ドM疑惑浮上。

 

『復活の日』よりは感染が広がる過程が丁寧に描かれていて、そのあたりは面白かったですよ。

まあ、言うほど悪くないかなーと言う感じですが、でも後半の展開は確かにひっかかりますね。

あと主演が妻夫木聡と言うのが、どーも私の中で妻夫木聡と言うと胡散臭さを覚えてしまうものでして。

 

 

ネタばれ

さんざん鳥インフルエンザ的ミスリードをしておいて、実は蝙蝠でしたって言う展開いるかな? と言う気も致します。実は鳥じゃなくて蝙蝠でしたと言われてもふーんな感じで、ぶっちゃけ物語上感染源はどっちでもいいって感じだし。

ただ、鳥インフルエンザ疑惑の中で養鶏所の持ち主が自殺したり娘がいじめにあうあたりはありそうな感じでした。まるでそのエピソードを描きたいだけのミスリードだったようにも感じますが。

佐藤浩市は友情出演ということもあって、あっと言う間に感染フラグが立ち、あっと言う間に死亡。死ぬ間際に「すごく怖い」と言うあたりがなんとなくわかりみが深いです。死に方にもよりますが自分が死ぬときの怖さって別格ですからね。ましてや血を吹きながらの死なんてすごくいやです。

前半は感染拡大、医療崩壊などの様子がなかなかリアルタイムに感じらました。

 

後半になって、感染源となった嶋田久作が吐血して危険な感染症に罹患しているのが明らかなのに、発病したまま日本から移動していることに驚きました。いや、仮にも医師なのに行動が無責任過ぎるなーと。飛行機でまわりに感染するリスクもあるし、彼が吐いた血を片付けた駅員や娘夫婦にも感染させているかもしれないのに黙って帰りますかね、普通。

島の奇病に関わった時点で安易に日本に戻ってくるのもどうかと思いますし。彼は自分のせいで娘夫婦を不幸したなんて夢にも思わず死んだんでしょうね。島の住人の為に命を尽くすというのは美談なのに、それ以外の行動が酷すぎます。

 

そして感染源かもしれない島に割と無防備に渡っていく妻夫木聡と藤竜也。この島に渡る展開がなんとなく『サンゲリア』を思い出します。感染者もなんだかゾンビみたいだったし。

 

で、一番の問題は患者が重体の最中に、テレビ電話をよこす檀れいだと思うのですが、本当に何故このタイミング?と言う不自然さはありました。そして患者が一命をとりとめたからと言って、檀れいに会いに行く妻夫木聡の行動もちょっとひっかかります。いや、自分の大事な人を優先したいというのは極めて人間的であり別に責める気もないのですが。

それより、檀れいに会いに行く途中車が故障するシーンはいるのか?って方が気になります。なんかとってつけたような盛り上げ感っていうんでしょうかね。

結局血清療法で治療の効果をあげるものの、何故か檀れいは死亡。最初の感染者や佐藤浩市の死に様は酷かったのに、檀れいは血の涙をたらりと流す美しい死に様に止まります。

まあ、症状は個人差ありますし、最初に感染した夫婦も、夫の方が劇症で妻は回復してたので、男性の方が症状がきついってことかな? と解釈することにしますが。

 

そんなこんなで、つっこみどころはあるものの特別ダメな作品とも思わないのですが、なんとなくそれほど心に残る傑作という感じもしない映画でした。

なんというか「明日死ぬとわかっていても私は林檎の木を植える」という本来は胸に刺さる言葉なんだろうけど、いまいち刺さってこない映画でした。