昭和のワイドショーという感じの構成。
それもそのはず、当時の東映の社長が日本テレビの人気ワイドショー『ウイークエンダー』をぱくれと指示して作った映画だそうだ。
リポーター役の泉ピン子が語れば語るほど猟奇的な恐ろしい事件にも関わらず、ものすごく軽薄に見える。ところどころエロサービスも観られ、こんな猟奇事件も大衆娯楽として消費される、そんな時代でござんしたのねーと言う感じ。
過去にあった事件の概要を知るにはお手軽かも。
【西口彰事件】
詐欺師にして連続殺人犯。九州から北海道まで広範囲に活躍(?)
10歳の少女による通報で逮捕というところが味噌。
最初の金槌で人を殺めるあたりのもたもた感はちょっとリアル。
【克美しげる事件】
克美しげるという歌手を私は知らないが、テレビアニメ『エイトマン』の主題歌を歌っていたらしい。『エイトマン』は観たことないけど「エイトマ〜ン」というメロディは知ってるなー。あの歌手が、こんな事件をね。ふーん。
この映画のモデルとなった犯人はみんな死刑になってるけど、この人だけは出所し、その後も75歳まで天寿を全うしたようだ。4度も再婚したというのだから、前科があってもモテる男なのだね。まあ、実際顔写真を観ると人はよさそうだけどねー。死体を車に放置したままというまぬけ感と相まって、どことなくおおらかな空気さえある。いや、殺人をおおらかとか言うのも変だけど。おおらかというよりはおおざっぱなだけか?
この事件は東映社長に急遽入れるように指示されたせいもあってか、ささっと終わる感じ。
【大久保清連続殺人事件】
日清どんべいのCMでお馴染みだった川谷拓三のどことなく憎めないキャラクターと、緊迫したシーンであってもとぼけたBGMなどもあって、連続殺人事件という凄惨な事件なのにまったくそう感じさせないというか、今なら問題になりそうな昭和の取り調べ風景や、犯人が投石により血まみれになるなどの、どこまで史実かはわからない演出。
まあ、やはり祐三ちゃんの怪演もあって全エピソードの中ではこれが一番印象に残る。
実際の事件の方もwikiでざざっと読んでみたが、やっぱり大久保清が一番狂ってる感あるね。