邦画の心霊系は尾を引くので観られないのですが、心霊系でなければセーフです。

なんで、一応このシリーズを全部観ているのですが、相変わらずテレビドラマの延長みたいな作りなんで、わざわざ劇場で観なくてもいいかなーという感じです。

 

怖さはまあまあというか、実際あったらかなり怖いという感じはします。

 

ネタばれ

オープニング、真夜中にドアの鍵が誰かに開けられそうになるというシチュエーションはひとり暮らしの女性にはめっちゃ怖いものです。

ここで衝撃的なのは、覗き穴から覗こうとしたら穴を突き破って棒が飛ぶ出るところ。いや、これは怖いですね。

ただ、主人公がただ怯えて、警察をすぐ呼ぼうとしなかったり、ドアが開きかけてるのに放心してそれを眺めているだけというのは不可解でした。

あと、ドアがバーン!っと開くけど、その前に駆けてたドアチェーンはどした?って感じです。

実はこれはオムニバスの合間を繋ぐブリッジストーリーであり、その後どういう経緯があったのかが語られる訳ですが、投函される謎の手紙から、その宛名が実はストーカーに殺された被害者のものだとわかるくだりは怖くて良かったです。まあ、私なら、自分宛じゃない手紙は部屋に持ち帰らずポストの上とかに置いときますけどね。それでも毎日投函されるようなら、「●●さんは●号室にはいません」とかメッセージつけてね。

あと、主人公はストーカーが自分の部屋に訪れたにも関わらずすごく暢気。警官が部屋まで送ると言っても断るし、封筒に指が入っていたときも、まずは部屋に帰ろうとする。いやいや、だって、ストーカーに部屋知られてるんだから、待ち伏せされてる可能性もあるでしょうに、馬鹿なのか勇敢なのか。部屋に入る時手を怪我するんだけどどうして怪我をしたのかはよくからない。

で、部屋に帰ったらすぐに警察に通報すべきところを、また放置している。うーん、理解出来ない。私は引っ越しが完了するまでどっかに泊まるようにして、もう二度とこの部屋には帰らないけどね。それに、これだけのことがあったのちその部屋でよく熟睡出来るな。

 

【所有の不確かさが招く悪夢の結末】

オムニバスの中ではこれが一番意外性があった。

自分は傘を正面に向けて開くことはないから、ああはならんけどね。

コンビニの店員が犯人だと示唆されるようなカットは蛇足に感じました。

 

【思い付きの遊戯と不条理な愛着】

あのフロントマンはなんだったのか。異常者が紛れ込んでいただけなのか。よくわからないけど、これもあったらやだねーという感じ。ホテルの従業員が異常者というのはもう救いようがないです。

フロントマンの顔がつねに半分しか見えないという演出もぞっとします。案外ラブホで殺されても隠匿されそうな気がしますしね。

 

【執着の真意と未絡の結末】

存在自体がホラーの笹野鈴々音。彼女を出演させればそりゃーそれだけで怖いでしょうよ。でもはじめて彼女を観た時のインパクトが薄れたせいかそこまで怖くなかった。

この話の不可解な点は、笹野鈴々音が何故主人公の電話番号を知っていたのかって点よね。

まあ、電話ボックスであたりを見回しても誰もいないのに声がするって時点で「志村上だ!」って思いますが、このあたりは非常に古典的オチとも言えます。

 

【憎悪の応酬と紙一重の勝利者】

オムニバスの中ではこれが一番面白くなかった。女子高生のいざこざによる殺し合いなんですが、みなさん行動が短絡的過ぎてどうもねー。

 

【負け組の嫉妬と共通の思惑】

これもキャバクラの諍いにより、一方のキャバクラが殺し屋を雇ったということなんでしょうか。殺し屋だとしても不気味過ぎるというか、狂気じみていて殺し屋に見えないんですよね。

この運転手の演技が不気味過ぎるという一点でなりたつドラマというか、キャバ嬢も運転手に攻撃的過ぎて、無防備過ぎるなーと自業自得感漂わせてます。

 

【軽徹な出来心に、忍び寄る悪意】

他人のスマホを持ち帰り、その為に持ち主が殺されるという、話としては嫌なシチュエーション。これもオムニバスの中では良くできている方ですが、ただ、ブリッジストーリーと繋がるあたりはちょっと無理矢理感を覚えます。

 

とまあ、総じて怖すぎず、つっこみどころもありますが、ときどきぞくぞくっとさせていただきました。

これくらいがいい塩梅かもしれません。