ネタばれあり
プレデターシリーズで言えば、やっぱりシュワちゃん主演の1作目が一番面白いのはしょうがないとして、この続編に関しては1作目に次いで観る機会が多い。
最初は続編に関して1作目より面白さが劣ると思っていたのだが、続編には続編なりに良い面もある。
まず、1作目のジャングルから、都会のジャングルロサンゼルスに舞台を移したのは正しい続編のあり方だと思う。
前回は戦争映画と思わせて実はエイリアンものという意外性があったが、今回もクライムアクション系と思わせて…と、前作のパターンを踏襲している。
また、プレデターの武器のパターンが増えたのも面白みのひとつ。
前作のネイティブアメリカンビリーのように、直感的にプレデターの存在を感知するギャングのボスが、やはりビリーのように呆気ない末路(ここはちょっと笑ってしまう)を辿るのも、前作のオマージュを思わせる。
「キャンディ食べる?」「不運と思って諦めな」などの印象的な言葉が繰り返されるところも健在。
そして何よりこの続編のもっとも面白い部分が、プレデターとの食肉工場での戦い。
プレデターが赤外線以外のフィルターを持っているという設定が非常によかった。
また、地下鉄での戦いも都会らしさを表現した舞台設定でよい。
と、このあたりは、非常に印象深く、好きなシーンではあるが、やっぱりひっかかるのは最後の戦い後、ダニー・グローヴァーが勇者と認められて見逃される部分が腑に落ちない(武器を持たない者とか、妊娠している女性とか、子供が見逃されるのは違和感ないんだけどね)。
プレデターは自分が不利になると何かと自爆しようとする奴ら。しかもその破壊力は広島の原爆に匹敵すると言うのだから、前作でシュワちゃんよく生きていたなというレベルである。
なんつーか、自爆するのにそこまでしなくてもと思わせるほどの負けず嫌いなプレデター。しかも彼らの目的はあくまで狩りなのに、あんな風に狩る相手をリスペクトなどするのだろうか。そもそも対等に戦う気なんかなくて、体を透明化しながら不意打ちで圧倒的武力差で相手を殺すような奴らなのに。
あそこだけ急に狩りの獲物であろうと強いものにはリスペクトみたいな姿を見せられても、なんだか甘さを感じてしまう。
そういう意味では結末だけ気に入らないし、ダニー・グローヴァーの高所恐怖症の設定っている?という印象と、ダニー・グローヴァーはともかくそれ以外の登場人物の魅力がもう一歩かなーという感じである。ビル・パクストンもいいキャラになりそうだったのに中途半端なまま呆気なく退場だったしね。
まあ、ゲイリー・ビジーはいい味出てたけどね。
にしてもプレデターの怪我治療のディテールが妙に凝っているのはなんなんだろう。