全米では週末興行収入ランキング初登場1位となり、批評家から絶賛され、高評価だったのだが、Yahooレビューの評価が低い。

 

音を立てると危機に瀕するというのは『ドント・ブリーズ』を思い出させるのだが、聴覚の鋭い盲目の退役軍人と密室での攻防というストーリーに対して、正体不明の何かに脅かされる人類というミステリアスなスケールの大きさにぐっと惹きつけられた。

 

まあ、幕開き数分の内に人類を脅かす何かの正体が明らかになるのだが、そこに意外性はなく「ああ、やっぱりそっち系の話しか」ってところで、若干がっかりする。

 

地味な映画だし、テレビドラマみたいな低予算感で、前半は少し退屈なのだが、後半はスリリングで音を立てたら死ぬというワンアイディアだけでひっぱる力業はあるし、観ている間は音をたてちゃいけないという緊張感もあって、結構へとへと。いろいろ気になる点もあるが、そこまで悪い評価になる映画ではないかなー。

 

続編も予定されているらしいが、あえて続きを観たい映画でもない。

 

 

ネタばれ

CMでミステリアスに宣伝していたが、ようするにエイリアン侵略ものです。

 

予告で音をたてていた子供があっさり殺されたのはちょっと意外。

お姉さんも子供におもちゃを渡したあと、電池を処分するなど頭が回らなかったようで、さらにあんな小さな子供を列の最後に歩かしているなど不可解っちゃー不可解。

 

それ以外にも観ている間、終始疑問が頭をよぎった。

 

真っ先に思ったのは電力はどこから? 

こぎれいにしてるけど、お風呂とかはどうしてるの? 水道の音とか結構響くと思うのだけど。

(洗濯しているシーンも一瞬でるけど洗い終わった後みたいな感じで、音をたてずに洗濯出来るの?)

あんなマットレスかぶせただけみたいな部屋で防音出来るの?

裸足になって歩くほど気をつかってるけど、結構どしどし音をたてて歩いていたような。

音をたてちゃいけないのに、壁に落ちやすそうな額がぶらさげてあったり、そこかしこに危ないフラグ立ってたなー。

寝言とか、いびきとか、寝ている間の不可抗力には対策があるのか?

おならとか大丈夫?

モノポリの駒を布にするほど神経使っているのに、サイコロはそのままなの?

やたら、すごいモニター室。あれらの設備も音を立てずに準備出来たの? それとも侵略が起こる前からあの設備だったの?

とうもろこしとか音をたてずにどうやって栽培したの?

サイロにもとうもろこしがいっぱいあったけど、サイロは音をたてずに動かせないのでは?

(それともあのとうもろこしは侵略が起こる1年以上前のもの?)

こんな事態なのに何故子供を作ったの? あの状態で赤ん坊なんて絶対無理ゲーというか、案の定たいした対策もされていなかったような。

娘は聴覚が不自由という設定だが、そういう人ほど無意識に音をたてるかもしれないのだし、もっと気を付けてあげないといけないのでは。

父親は何故娘が地下に入ることをあそこまで拒む?

滝のような大きな音の前で音をたてて安全ならば、もっと継続的な音をならす工夫があってもいいと思うのだが。
釘のフラグが超いやだった。実際、何かにひっかかっているのにちゃんと確認せずに無理矢理ひっぱったり、危ない釘をそのままの状態にしてたり、いろいろ謎。

 

老人夫婦のシーンは、ボケた妻が騒ぐので仕方なく妻を殺した夫の自殺?と勝手に解釈。

 

地球にやってくるだけの科学力があるエイリアンが全然知的に見えない。

彼らはただ人間食ってるの?

視覚がないのに何にもぶつからず音だけで移動出来るものなの?

エイリアンは自然音と生活音の区別がつくのだろうか? つかなければ滝につねにアタックしなくちゃならないよねー。 

 

そして娘があそこで補聴器のスイッチを切らなければ父親助かってたのになー。

娘がいつそれに気づくのかやきもきした。

 

最後のエミリー・ブラントのどや顔はよかった。