リュック・ベッソン監督と言うだけで『フィフス・エレメント』の悪夢再びという気がしたのだが、予告のビジュアルが魅力的だし、今をときめくデイン・デハーンが主演とあってはやっぱり見ておきたい。
映画化に際して、ベッソンが原作で惚れ込んでいたというローレリーヌ(言いづらい名前)演じるカーラ・デルヴィーニュもこれから大ブレイクしそうな美女だし、なにげにクライブ・オーウェンも出演しているのが嬉しい。イーサン・フォークもちらりとお見かけ。
とにかくいろいろ作り込まれた世界観が楽しく、『ブラックパンサー』同様にあたりまえにVR化した世界がとりこまれていて、その見せ方も面白かった。
もともとコミックが原作と言うし、16歳のベッソンが考えたストーリーよりはましであろうと思ったのだが、いや、いろんな意味で『フィフス・エレメント』よりはましだったとは思うのだけど、しっかりベッソン節だった。
原作を読んだことがないので、もともとのお話がベッソンっぽいのか、原作をベッソン節に塗り替えたのかは知らないが、デハーンが終始相棒のヒロインをくどき続ける点といい、結局「最後に愛は勝つ」というロマンチストっぷりといい、良く言えばベッソンはとにかくぶれない人だ。
あとギャグの空回り感もベッソンっぽい。
でも、まあ、この映画、嫌いじゃない。
興行的には大コケしたらしいけどね(それもわからんでもない)。
ネタばれ
嫌いじゃないとは言ったがオチのつけかたが男女のいちゃいちゃで終わるという殆ど『フィフス・エレメント』と一緒やん!
実際のところ、チャラくて遊び人っぽい主人公が(デハーンくんにはこういう役はあんまり似合わないし)終始相棒をくどくというシチュエーションもどーかと思う。これだからジュテームの国フランス人って奴は…なんて偏見に満ちた発言が飛び出すが、アメリカ映画ってこのあたりは割とツンデレ男女が描かれるのに対して、フランス人はストレート過ぎるくらいストレート。
このあたりが自分の感性にあうかどうかが問題なんだけど、どうもいまいちのれないんだなー。
途中、ローレリーヌが捕まってから『フィフス・エレメント』にもあった、謎のショータイムあたりでだれてくるし、なんにでも変形出来るリアーナ演じるバブルという宇宙人は魅力的だったが、あの唐突な死に様はあんまり。こんな風にまわりが主人公ふたりのために都合よく動いてくれるのもなんだかね。
デハーンくんにパール星人の女性の魂が取り憑いているという設定も、途中途中もうちょっとそうとわかる描写が欲しかったけど、まったくと言っていいほどない。
オープニングのデビット・ボウイをBGMにアルファ宇宙ステーションの成り立ちを見せる映像は面白かった。
最初のミッションシーンもとても良かったです。ただ、番犬(?)に追われて他の人たちはやられちゃったのに主人公ふたりだけさっさと助かっちゃうのがね。。。
まあ、最初からビジュアル目的の映画なんで、その点は楽しめました。