もともと『ブレードランナー』ってカルトムービーだしね。はまる人は熱烈にはまるって言う。

で、私はさほどはまらなかったんで、続編もそれほど期待もしてなかったというか、ライアン・ゴズリングハリソン・フォードにも魅力を感じないので、気が進まぬこと山のごとしですよ。

 

80年代以降この世界観があらゆるメディアに影響を与えていて、もはや新鮮味もないですしね。

 

それでも前作は脱走したレプリカントを解任するために奔走するブレードランナーのスリリングなアクションに、密かにレプリカントの女性に恋愛感情を抱くという葛藤を絡め、わかりやすいストーリーラインでまあまあ、面白かったのに対して、今回はレプリカントのブレードランナーがメインというなんとも感情移入しにくい設定の上に、終始お話がミステリアスでどこに向かって進んでいるのかわかりにくく、163分と冗長でとにかくしんどい。

途中から飽きちゃって、早く終わらないかなーと終始考えちゃいましたよ。

(前作もデッカードがレプリカントであるという説がありましたが、そもそも後付けの設定だし、私的にはデッカードは人間側の視点として捉えているのでむしろレプリカントという設定はいらないと思っている派。ハリソン・フォードもデッカード=レプリカントには反対していたそうなので、その点に関しては私もハリソンに一票ですよ。)


いや、さすがにお金かけて作り込んでいるので、見応えない訳じゃありませんよ。ところどころは良いシーンだってあります。

でもこの世界観に心酔している訳でもないので、やっぱり163分おつきあいするのはしんどかったですね。

 

アナ・デ・アルマスは恐ろしく可愛かったですけどね。

あと、シルヴィア・フークスも強くて怖い女っぷりがよかったです。まあ前作のダリル・ハンナほどキャラ立ちはしてないですけどね。

でも総じて女性陣は良かったです。

 

 

ネタばれ

レイチェルとデッカードの子供がKなのかどうかって所だけで引っ張るにはお話として弱いんですよね。

荒っぽく言ってしまえば、私はあなたが誰の子供であろうとなかろうとどうでもいいって気持ちで観てしまいました。

Kというキャラクターに終始共感しづらいというのもあって、余計に彼の気持ちに寄せ辛いのも難点。

例え設定がロボットであろうと、宇宙人であろうと、モンスターであろうと、共感出来る人間の感情が描かれていれば、自ずと感情移入出来るのですが、そのあたりはKからはいまいち感じられなかったです。

 

とはいえ、生殖能力がなく生産性をあげる上での労働力としかみなされないレプリカントが、バーチャルの恋におぼれるというのも、日本において格差社会、子育てする余裕のない少子化と、まさにリアルレプリカントである労働者にとっては、本来共感を得やすいのでしょうか?

 

生殖能力がないはずのレプリカントから生まれた希望の子供が無菌状態で想像力に生きているというのは、なんとなく考え深いものがありますね。