久しぶりに立ち見しちゃいましたよ。

 

なんかこう、ほどよく染みたおでんの具材のような映画でした。 
じわじわじわじわと心に染みてくるというか。 

淡々とした中に、なんともリアルな空気や、会話の妙など、脚本賞を受賞しただけあって実に上手いなと思う作品です。 
大袈裟な演出も、映画としての予定調和のような救いもないけれど、でも決して後味は悪くないというか、現実的に帰結しつつも、微かな希望を覚える、良い映画でした。

 

 

ネタバレ

とにかく主人公と甥っ子の会話がじわじわと面白いんですよね。

冷凍商品を見て、動揺した甥っ子が部屋に鍵をかけて閉じこもっている所に主人公がドアを押し破って入るシーンで「ちょっと動揺してるだけだよ」と答える甥っ子に「密室で動揺するな!」と一蹴する主人公に思わずぷっときました。その後の「今後冷凍食品を見るたびに動揺するようなら病院に連れて行くからな」と言う台詞も笑っちゃいます。

こんな感じでちょいちょい甥っ子との会話が面白いんですよ。

 

主人公の背負う痛みはそうそう簡単に劇的に解放される訳ではなく、今後も背負い続けていくのだろうけれど、でも、この甥っ子との関係の中に一筋の救いを感じるんですよね。