冒頭から、美女と野獣ってブルボン王朝の時代なんだとびっくり。
いや、原作が書かれた時代を考えればそうなのかもしれないんだけど、なんとなくちょっと違うイメージを持っていた。
もともとのアニメーションが完成度が高いし、メンケン氏の曲が素晴らしいので、そのまま映像化すれば間違いはない。実写もそういう意味では映像もきれいだし悪くない。悪くはないが、ものすごく良かったとも言いがたい。
やっぱりエマ・ワトソンの歌唱力が…。声はきれいなんだけどねー。
アニメの方はペイジ・オハラの歌声に最初から泣きそうになったけど、エマの歌声にはそういう心をふるわせるものがなかった。
マーク・エヴァンズのガストンも予想通りというか、なんか脳筋高慢お馬鹿感が足りない。聡明でいい人そうな雰囲気がにじみでちゃっていまいち突き抜けてない。
ミュージカルとしての演出もちょっと物足りない感がある。アニメーションの方がよっぽど演出的に高揚感を覚える。
また実写で足された新たな設定とかシーンが「それいる?」って気分になることもちょいちょい。
総合的に観てやっぱりアニメーションの完成度には及ばない気はするが、でも、実写は実写でもう一度観てもいいかなーなんて何様な気分ではある。
にしても宣伝はまったくミュージカルとしての打ち出しをしてなかったけど、今の世の中そんなにミュージカルって受け入れがたいのですかねー。
ゲイを取り入れたり、黒人キャストを増やしたり、昨今の映画はいろいろ政治的配慮が大変だねーという印象。
ところでルミエールってユアン・マクレガーだったんだ。全然わからなかった!
コグスワースはイアン・マッケランっぽいなーと思ったらやっぱりそうであった。
ネタばれ
ベルのアイラブユーを言うタイミングが完全に花が散った後というのがね。
そこは、召使いたちが皆骨董品になるという泣かせるシーンを描きたかった都合という感じがぷんぷん。なんで魔女がとってつけたように登場し、さじ加減でどうにかなるというのが、魔女の目的はいったいなんだったんだって感じもしなくもなく。
あと、どこにでも行ける本の存在も、ベルの過去を知るためだけのアイテムって言うのがね。最後にベルが野獣の所に駆けつける上でのアイテムになるかと思ったんだけど、割ととってつけたような小道具扱い。
あと、方々で指摘されているけど、雪玉の大玉を容赦なくベルにぶつける野獣ってどーなの?
野獣はもともと美人好きという事実も発覚。
そういう意味では人を愛することを知ったのはともかく美人好きという嗜好はそのままのようだ。
この物語って人は見た目じゃないよって話しでありながら、ヒロインは村一番の美人って設定なのがね…。
発明家のお父さんの発明があまり役だっていないのも、設定が弱いかなー。
ディズニー映画初のゲイとして話題のル・フウだが、これはなかなか良いキャラクターであった。別に初のゲイとか、ゲイの宣伝とか、大騒ぎするほどのキャラクターでもない。