まず最初に言わせてください!
Oh, Mia, Mia, Mia, you are too selfish!
(何故わざわざ英語なのかは謎)
いや、でもヒロインミアに関しては突っ込みたいこと山のごとしよ!
詳しいことはネタばれ読んでください。
それにしても予告の段階から予感はしてたけどベタ、ベタ、ベタなお話ですねー。いやベタは嫌いじゃないけど、心地よくはまるベタと、気恥ずかしくなるベタってのがあってこれは後者。
ロマンティックを通り越して、ふたりがあまりにお花畑過ぎてなんだか酔えない。
このふたり以外の登場人物は本当にただいるだけって感じ。ふたりの為に世界はあるのねー。
お話もクラシカルというか懐古趣味というか時代錯誤と言うか、物語があまりにメロドラマで今の時代と噛み合ってない気がする。
そんなこんなで、この映画にはのれない、のれない、のれなかった! 残念!
ダンスシーンも、ライアン・ゴズリングもエマ・ストーンもそつがないんだけど、いかにも段取りをきっちり踊ってるって感じで、ダンスにしてもタップにしてもフレッド・アステアやジーン・ケリーの古き良きミュージカル時代の劣化版に見えて中途半端な印象。
きらきらした演出はそれなりに魅力はあるが、ミュージカルとしての物足りなさを補うほどでもない。
「Another Day Of Sun」はもう洗脳するかのように毎日ラジオで流れてくるので、お馴染みの曲だが、OPに持ってくるとは思わなかった。ある程度中盤くらいに主人公たちが夢を語り、ハリウッドモブたちも共に共感するような構成かと思ったら主人公抜きのプロローグ的な扱いなのね。
高速道路のロケは見応えあるのだけど、私が勝手にイメージしていたタイミングはそこではなかった。でも、まあ、つかみ的には悪くない。
エマ・ストーンが歌う「Audition (The Fools Who Dream)」なんかもぐっとくるものはあったんだけど、去年からずっと話題になっていた作品だし期待値が高まりすぎちゃったのかなー。
このままでは今年一番期待ハズレで賞になりそうな勢いです。
少なくともアカデミー賞作品賞を逃したのは妥当かなという気がしますね。
エマ・ストーンは若くて可愛くて今が旬という感じだけど、やっぱり主演をとるほどかというとちょっと疑問です。
ネタばれ
とにかくミアの自分勝手と計画性のなさが目に余る。
ミアはなにげに彼氏がいるくせに、セバスチャンと映画を観に行く約束しちゃう。それってどーなの?って思うけど、質が悪いことに彼氏との約束とブッキングしちゃうんだ。ちゃんとスケジュール管理はしようぜ。
で、セバスチャンの携帯番号は知らなかったの?
もし急病とかになったらどうするつもりだったの?
急用で行けなくなったから日を改めようとかそういう発想はないの?
彼氏よりもセバスチャンの方が気になることで自分の本当の気持ちに気づいたって設定はロマンティックかもしれないが、行動としては身勝手よね。
で、この女、映画館でセバスチャンがどこに座っているかわからないからってわざわざスクリーンの前に立つのね。他のお客様の迷惑考えましょう。
次から次へと身勝手さが…。いやいや、そもそも高速道路で台詞の練習なんかする時点で身勝手。セバスチャンに対して嫌な奴って逆切れしてる場合じゃない。バイトも自分の都合ばかりで身勝手。そういう意味では彼女に好感は感じない。
ライアン・ゴズリングとエマ・ストーンは『ラブ・アゲイン』では非常に微笑ましいカップルだったけど、この映画のカップリングはいまいちなのよね。
最初は嫌な奴として登場するセバスチャンとの出会いも実にベタだが、台詞にあるように、このふたり、まあ、しょっちゅう偶然の再会を果たす。まるで少女漫画。
そっからのふたりのラブロマンスが私はとにかく気恥ずかしくて退屈で途中観ているのがだるくなる。
で、とってつけたように喧嘩するシーンも、ミアはセバスチャンと離ればなれの時間が多いことが不満なのか、彼が好みじゃない音楽をやっていることが不満なのかいまいちよくわからんというか、せっかく売れているバンドに所属出来て、彼がジャズのお店を開く上での資金を稼ぐチャンスなのになぜそこまでごねる?って感じ。
それに対して、彼も「君がそう望んだから」って、いやいや君も自分の夢に対してもうちょっと計画性持とうよ。「これを資金に僕は自分の夢を叶えたいんだ!」って言おうよ。
ミアの一人芝居も実に計画性がない。
知名度のある女優って訳じゃないのに、何故自分ひとりのネームバリューでお客さんが呼べると思った?
せっかく女優の卵のルームメイトがいるんだから、彼らと組んで、チケットはノルマで売りさばき、観客は友達の友達を呼び寄せるとかしないと客席なんて埋まらないよ。
それ小劇場で芝居する上で基本だよねー。自分も芝居やってたからミアの行動の無謀さが気になってしょうがないよ。
おまけにそこでプロデューサーに気に入られてサクセスするというおとぎ話みたいな展開。夢見すぎでしょう。
最後にセバスチャンのお店にたどり着くのも偶然。すべてを偶然にだけ頼るストーリーってねー。