数名からお勧めされていたのですが、お勧めされてから数年かかってやっと観ることが出来ました。
『狼よさらば』のブライアン・ガーフィールド原作なんで、観る前からお話の予想がつくというか、最初の幸せ家族描写などは、もうその後くるであろう不幸のフラグにしか見えない訳で。
で、まったく予想を裏切らない展開に、もう既視感というか、新鮮味もなく、前半は退屈とさえ感じ、いささかハズレなのではという不安さえ感じておりました。
が、さすがに複数のお勧めとあって、ギャングと主人公の逃走シーンから俄然面白くなります。この逃走シーンは圧巻でした。
こういう緊迫感のある演出はジェームズ・ワンの得意とすることろなんでしょうね。
普段は優しい父親でもいざとなるとがんがん相手をやっつけてくれそうなチャールズ・ブロンソンと違って、一見強そうに見えない、むしろ神経質そうでこの人が父親だと違う意味で怖いと思わせるケヴィン・ベーコンですが、ある種狂気を含んだ凄味があって良かったです。
ベーコンさんは中々の熱演でした。
主人公は取扱説明書を見ながら銃を装着するなどおぼつかないのですが、その割にはあり得ないほどの銃さばきで、さすが映画です。
銃撃戦もなかなか面白い演出でアクションは良かったです。
ネタばれ
しかし、警察無能。本当に無能。
ギャングに狙われているのに、護衛の警察がふたりだけって…、最初、ウォリス刑事はギャングのボス側なんじゃないかと疑ってしまった。
しかも、警官ふたりが殺され、主人公の家族も皆殺しで、犯人はそのギャングだってわかっていて何も手を打たないのね。これじゃあ、主人公も復讐に走りますわ。
最後にギャングのボスに「その服装、俺たちと同じだ」と指摘されるシーンが印象的というか、主人公が味わった理不尽な暴力や怒りに日常的にさらされているのが、まさしくこのギャング達であるという、富裕層との隔たりはそこにあるのだということをその一言で語らせるのは上手いなーと思いました。