意外に真面目な作りというか、ゾンビという要素をぬきにすればまんまジェーン・オースティンの『高慢と偏見』やないか~い!って感じ。
もっとパロディに徹してとんでも展開になるのかなーと思ったけど案外普通だった。
セス・グレアム=スミスの原作はかなりとんでも展開っぽいので、映画が抑えめになっているだけかもしれない。
ヴィクトリア王朝時代にゾンビが現れるという世界観がちょっと新鮮な感じの異色作。私はこの時代の女性のドレスが結構好き。胸元強調でやたら色っぽい。
ネタばれ
死肉に群がる蝿を使ってゾンビを見分けるというアイディアが面白かった。
また、その蝿を次々と捕まえるエリザベスも面白い。
ゾンビと化した者が最初は人間と見分けが付かないが脳を食べるほどにゾンビ化していくという設定も目新しい。
イギリスにゾンビが蔓延した経緯を冒頭で説明する紙芝居のような演出もよかった。
女子が日本や中国で武術を学んでいるという設定も面白いのだが、そのあたりのアクションがもっとぶっとんでいても良かったかなという印象。
ダーシーとエリザベスが戦うシーンはちょっと面白かった。
牧師のキャラも立っている。
こんな感じでまあまあ面白い点もあるのだが、後半になってご都合主義が目立つ。
たとえば脳を食べたゾンビたちが暴走する最中に、決闘するダーシーとジョージ。ジョージは実はゾンビなので襲われないのはわかるが、何故ゾンビたちはダーシーをスルーする?
またゾンビの群れの中を馬で駆け抜けるダーシーとエリザベス。あの群れの中にあってもやっぱりゾンビたちが彼らをスルーする謎。
最後はまんまハッピーエンドみたいで、「え、さすがにひねりなさ過ぎない?」と思ったらエンドロールで一応オチがついたけど、まあ、とってつけた感というか、あれほど脳を破壊してちゃんと留めを刺せと啓蒙してるのに、ジョージの脳をちゃんと破壊してなかったんだなーという驚きで終わった。