評判の悪いこの作品を観て参りました。
うーん、お子様ランチのような作品でしたねー。

それでも最初は「言うほど悪くないんじゃない?」と思ったのだけど後半になるにつれ、ありゃりゃって感じで。

バットマン映画史上一番イケメンのジョーカー、ジャレッド・レト。いやホントただのイケメン一途な王子様で終わっちゃって、全然狂気が足りない。見た目はいかれてるけど、中身はいまいち危なっかしさが感じられない。だから印象薄い。

ハーレイ・クインは確かに可愛いけど、ジョーカーとふたりで少女漫画のような世界を構築しているだけの人。戦闘力殆どないから愛嬌命。

そして、ウィル・スミス。やっぱりウィル・スミスはすごいよ。ここでもしっかりこの映画を俺様映画にしてたからね。予告ではハーレイが全部持っていくのかと思ったけど、やっぱりウィル・スミス様にはかなわない。あれね、『ガラスの仮面』で言うところの舞台荒らしね。全然褒めてませんけど。

他にも個性的なヴィランが登場するけど、その個性が殆ど活かされていないというか、ヴィランって設定じゃなくてもいいんじゃない?ってレベル。
敵が強すぎてパワーバランスも悪いし、じゃあ、それぞれの悪知恵を働かせて対抗するのかと思いきやそうでもないし。数人は殆どいるだけの空気。
唯一ウォーボーイみたいな外見のチャト・サンタナだけが超人的能力を持っているけど、それ以外は殆どただの人だもんね。

とにかくヴィランなのに気を許せない怖さみたいなものがまったくないの。
ただのはみ出し者のいい人たちっていう小物感ね。

リック・フラッグ大佐演じるジョエル・キナマンはイケメンだった。あ、ロボコップの彼か。でも殆どお姫様だったなー。ジューン・ムーン博士との恋愛関係が何か要になるのかと思ったらこれまたならない。まったく設定の無駄遣い。

とにかくクイーンボヘミアン・ラプソディを流した予告PV。あれが面白さのMAXでしたね。



ネタばれ
なんかねー、ジョーカーとハーレーが相思相愛ってところがいまいちぴんとこないの。ジョーカーがハーレーに惚れる理由もよくわからんし。
私はあくまでジョーカーはハーレーを利用するだけの男で、ハーレーの片思い的関係を期待してたのよね。そこでちらりともしかしてジョーカーもハーレーに惚れてる?って言う片鱗が伺えるレベルでよかったのに、こんなベタな感じだと気恥ずかしくてしょうがない。
それにジョーカーってまったく作戦に絡まないので、何の為に出てくるのかよくわからないのよね。結局ただのハーレーの王子様で終わっちゃってるの。
どうせなら、ジョーカーはハーレーになんらかの打算があって救出しようとしているところで、否応なく作戦に絡んでいくくらいの展開がよかった。ここぞって言う時にジョーカーのクレイジーさが作戦の助けになるくらいの展開ね。じゃ、なきゃ、彼が出る意味ないし。

あと、ヴィランたちが仲間意識に目覚めるのも唐突感あるのよね。
爆弾の脅威がなくなったのに、バーで一緒に飲んだくらいで、一緒に戦おうって気持ちになる?
急に少年ジャンプみたいな展開で違和感ありまくりよ。
どうも彼らがそうしなければならない切迫感があんまり感じられないのよね。
あんだけ恋愛依存のハーレーがジョーカーより仲間を選ぶのも全然説得力を覚えないし。

そういえば、ウィル・スミスがハーレーを撃つように命令されて撃たないのもよくわからんの。
まあ、あとに、彼は女子供は撃たない主義だってのはわかったけど、あれだとハーレーになんらかの感情が芽生えたみたいに見えるから、急に甘甘な印象を受けるのね。

カタナがぶつぶつ日本語でつぶやく場面はちょっと面白かったけど、彼女もいつのまにかヴィラン側に入っちゃってるのがよくわからんというか、そりゃーただの尻ぬぐいと気付いて見限ったってことかもしれないけど、そこでヴィランと共感しちゃう?

そしてあれだけの活躍をしたのにまた刑務所行きって現実に素直に従う皆様はやっぱりお人好しですね。