ダルトン・トランボと言う人はアメリカにおける赤狩りの対象となり、匿名で『ローマの休日』の脚本を書いたという逸話以外にあまりよく知らない人物だったので、この映画でいろいろ知れて面白かったです。
『ローマの休日』にとどまらず、『ジョニーは戦場へ行った』『黒い牡牛』『スパルタカス』『パピヨン』と数々の名作を手がけており、その才能はハリウッド・テンとしてブラックリストに名を連ねても覆い隠すことの出来ないものだったんですね。
『黒い牡牛』に関しては小学校の時に何かの上映会で観たことをうっすら覚えていて、少年が大事に育てた牛が闘牛で殺されるという非常に悲しい物語だったように記憶しています。
これがダルトン・トランボの作品だったとは。
『ジョニーは戦場へ行った』はもはやトラウマ映画でした。
『パピヨン』も印象深い作品ですし、本当に才能ある脚本家だったんですね。
この映画では特に『スパルタカス』の制作秘話みたいなものが垣間見られるのが面白かったですね。
『スパルタカス』と言うとキューブリックが自分を雇われ監督と称して自分の作品として否定的な作品ではありますが、随分昔に観た印象としては悪くない作品です。
私はカーク・ダグラスが昔から結構好きな俳優なんですが、この映画におけるカーク・ダグラスもすごく格好良く描かれています。
ヘレン・ミレンに対して切り返すシーンなども格好よく、何があろうともトランボの名をクレジットに乗せる姿勢はなんだかすごく男気を感じました。
演じるディーン・オゴーマンも似ているとは言い難いのですが雰囲気は出ていました。
実際のところ『スパルタカス』の脚本に関してはキューブリックが関わっていて、自分の名もクレジットするように求めていたり、もう少し複雑な事情があったようですが、まあ、映画的にはそれらを割愛した方がすっきりはします。
ダイアン・レインを久しぶりに観ましたが、相変わらずお美しく、良い感じで年をとっていると感じました。控えめでありながら芯の強い妻を好演していたと思います。
トランボが妻に感謝を捧げる言葉などはぐっときましたね。
ブライアン・クランストンも非常に良い演技でした。
どんなに虐げられようとも、才能ひとつで切り返すというのは小気味よいですね。
なかなかそんな才能は持ち合わせていないので、羨望でもありますよ。
そうそう風呂で執筆は長風呂嫌いの自分にはのぼせそうだし、ふやけそうだし、なんとなく落ち着かない感じがしますね。