よく、ヒットした映画のタイトルに似たB級映画がTSUTAYAの棚に並んでいたりするじゃないですか。うっかり借りて「うわー!失敗したー!」って思う類。
この映画はそれを劇場公開レベルでやられたって感じ。
製作J・J・エイブラムスだから、『クローバーフィールド HAKAISHA』の正統な続編なんだと期待したんですけどね。いや、まったく無関係とも言えないのだろうけど(エイブラムス曰く血の繋がった映画らしいので)、怪獣映画ではなく、予告編のその先がメインの映画と思ったら、密室劇がメインなんで肩すかしというか、その密室劇もたいして面白くもないっていうか、引っ張りすぎっていうか、面倒臭いというか、どっちつかずって言うか、上半期ワーストはこれで決まりかな。
ネタばれ
何しろ『クローバーフィールド HAKAISHA』のその後の話を描くのだと思っていたので、事故った主人公がジョン・グッドマンに救われてから、彼を危ない監禁者と疑う下りがかったるい。こっちは、なんらかの宇宙人の侵略を受けているという認識なので、そんなサスペンスはいらないというか、ジョン・グッドマンの誤解を受けるような説明のなさや行動もイライラする。
このあたりはさくっと展開し、彼女が地下から脱出してからがお話のメインだと思っていたので、そこから「外がどうやら危険らしい」と言う認識を持ってから、まただらだら地下生活を続ける様もかなりかったるい。
正直、地下の外はたくさんの怪獣が闊歩する異常な状況を期待していたので、一見代わり映えのない風景にがっくしというか、予告編にまんまと踊らされた感が。
地下生活における主人公たちのお話の伏線となる訳でもないだらだらした語りも退屈だし、最初に疑っていたジョン・グッドマンの疑いが晴れたと思ったら、結局少女監禁疑惑が浮上し、またもやそこで引っ張るのかーという気分。
結局ジョン・グッドマンは異常者ってことだったんだろうけど、そのあたりもなんだかいまいちはっきりしない感じ。最初からやっぱり彼女を監禁するのが目的なら、もうひとりの男性を助ける意味もわからんしね。
で、主人公が脱出してからは、主人公が即席で作った火炎瓶であっさり宇宙船が爆破されたなどやっすいB級SFみたいな展開で、さらに、まだまだこれは序章ですよと言わんばかりの終わり方も一気に脱力。
メインの登場人物が3名の密室劇なんで、かなりの低予算で作っちゃいました的出来映え。
これなら『インディペンデンスデー』でも観たほうがましですわ。