最近『Zネーション』にはまった流れから、Zネーションでマーフィを演じるキース・アランが脚本を書いたというこの作品を観てみることにしました。
(他にこの作品同様デロンドラ・ウィリアムズと共著で『ゾンビ・ナイト』『新アリゲーター 新種襲来』と言う作品が日本でメディア化されています)
まあ、なんていうか、世にあふれかえっている駄作オブザデッド系の臭いがぷんぷんいたしますが、まったくその予想を裏切らない作品です。
邦題もアルカトラズなんて打ち出しているから、いかにもアルカトラズ立て籠もり系かと勘違いしますが、アルカトラズが出てきたのは最初だけで、あとはなんちゅーか、普通にゾンビから逃げ回る話しです。
とにかくB級映画らしく、キャストに華がありません。
唯一知ってる俳優と言えばダニー・トレホくらいですが、こんだけ灰汁の強い俳優を起用しておいて、まったく生かされていないのです。
ダニー・トレホに育てられたという息子との関係ももっとドラマ性を打ち出せば面白くなりそうなのに、設定だけで終わっている印象です。
とにかく状況設定と人物設定は一応考えたけど、ドラマの部分をなおざりにしましたみたいな脚本で、まったくドラマ性のない中で、終始人がただばたばたと死んでいくだけの内容なのです。
ゾンビ化した娘とただひとりアルカトラズに残る医師とか、姉がゾンビとなった弟とか、いくらでも盛り上げられそうな設定が盛り込まれているのに、いまいち登場人物に感情移入も出来ないままに、唐突に死んでいく様は観ていて苦痛というか、つまらないの極地というか、とにかく人物描写が淡泊過ぎます。
それでも、多少は面白いシーンもあるんですよ。
海から現れるゾンビとか、橋をよじのぼるゾンビとか、妊婦の腹から赤ん坊を取り出すとかちょっと目を引く部分もない訳ではありません。
しかし、妊婦は結構冒頭事故った車のただひとりの生き残りとして意味深に描かれた割には、メインのメンバーと合流した直後にあっさりゾンビに噛まれて死亡とか、扱いが雑すぎるんですよね。
ゾンビウイルスの設定もそれなりに練られているというか、ゾンビウイルスが電流に弱いとか面白い部分もあるのだけど、それが一貫して生かされていないのが残念なところ。
そうそう、キース・アランもちょっとだけ出演しております。
冒頭、車を暴走させ、事故って気絶しておしまい。
この人髭がないとちょっとジョン・ステイモスに似てますね。